家庭の自助と地域共助−市民防災対策を提案する
市民防災ラボ
  
HOME > 体験レポート > 防災体験館・防災センター
防災体験館 体験レポート

他館にないギミック溢れる実験装置で、災害を判りやすく学べる体験施設 レポート
横浜市民防災センター 展示室 訪問'08/3/25
横浜市民防災センター 展示室ロビー

横浜駅西口より歩いて約10分。横浜市安全管理局の災害支援拠点・特別高度救助隊(SR)拠点である横浜市民防災センターの一角で、防災教育を行うための施設が今回紹介する展示室です。他館にないギミック溢れる内容で、大人から子供まで楽しめます。

横浜市民防災センターの概要

2015年4月より、当施設は施設改修工事のため1年間を目処に休館中です。

1 横浜駅徒歩10分の公園の中に 2 横浜市民防災センター 外観
沢渡中央公園 横浜市民防災センター 外観
横浜市民防災センターは、災害時の一次避難場所にもなる沢渡中央公園に隣接。 市民への防災啓発施設と、市の災害備蓄倉庫を兼ねた災害時の拠点施設です。

3 スーパーレンジャー(SR)も常駐 4 機動救助工作車もいました
特別高度救助部隊 分署 横浜市消防局 機動救助工作車
防災センターには、横浜市消防局の特別消防隊(後の特別高度救助部隊)も常駐。 まだ特別高度救助部隊のSRロゴマークが付く前の、機動第2救助工作車がいました。




  

横浜市民防災センター 展示室 1階の内容

1 市民防災センター入口 2 1階ロビー・企画展コーナー
市民防災センター 入口 1階ロビー・企画展コーナー
センターでは、一般市民向けの防災啓発だけでなく、救命講習なども行っています。 受付カウンターやモニュメントのほか、防災用品や過去の災害写真などを展示。

3 横浜の水害、竜巻再現コーナー 4 煙と気流でミニ竜巻を作ろう
横浜の水害 竜巻再現コーナー 竜巻再現コーナー
横浜市内で起きた水害や竜巻など、風水害に関する展示・体験ができます。 ボタンを押すと煙と気流が出て、ミニ竜巻を作る事ができます。竜巻被害の解説もあり。

5 実験コーナー 全景 6 地震と地盤コーナー
実験コーナー 全景 地震と地盤コーナー
地震の揺れと建物特性や、火災やガス爆発の危険性を、再現実験するコーナーです。 地震の揺れと建物の特性や、火災やガス爆発の危険性を、再現したり実験するコーナー。

7 地震体験コーナー 8 地震体験コーナー 内部
地震体験コーナー 外観 地震体験コーナー 内部
関東大震災・阪神淡路大震災・宮城県沖地震を再現。揺れを実感する仕掛けもあり。 クッション張りの内装やウレタン本棚が倒れるのは、焼津市民防災センターと同じです。

9 災害を肌で感じる「災害劇場」 10 大画面映像に加えて…
災害劇場 画面 災害劇場 座席
大画面映像に合わせて、火災・台風・地震への備えと疑似体験ができる映像シアター 熱・暴風・振動を体験できる仕掛けが強烈。前列中央の座席での体験がおすすめです。




  
  

横浜市民防災センター 展示室 2階の内容

1 2階に上がると、そこには 2 煙体験コーナーが
2階展示室 全景 煙体験コーナー 外観
体験コーナーと展示コーナーが続きます。壁には横浜の火災と救急件数の集計が。 無害な煙を充満させた迷路状の通路を通って、より安全な避難方法を体験します。

3 煙体験室の様子 4 暗闇体験コーナーに続く
煙体験室 見取図 暗闇体験コーナー 外観
煙の中、低い姿勢を保って避難します。全国でも数少ない車椅子対応の煙体験室です。 停電で視覚が奪われた状況を実感できます。こちらも全国で数少ない車椅子対応。

5 避難シミュレーション 6 被災後の街での避難を仮想体験
避難シミュレーション 外観 避難シミュレーション 画面とコントローラー
地震後の街に溢れる危険を回避しつつ、安全に避難場所へ辿り着く仮想体験をします。 画面の状況と地図、ラジオや通行人から情報を得て下したあなたの選択は、果たして?

7 災害に備えるゾーン 8 スプリンクラー作動展示
災害に備えるゾーン スプリンクラー 作動マシン
火災への対応や防災意識を試す、各種のコーナーが一同に集まったコーナーです。 人の多く集まる施設に設置されている、スプリンクラーを実際に作動させる珍しい展示。

9 こんな風に動作して消火します 10 119番通報体験コーナー
スプリンクラー作動風景 119番通報体験コーナー
普段見る事のできない、消火設備の作動風景を見て理解を深める事ができます。 119番通報の方法を解説してもらい、ブースに入ってスタッフ相手に疑似体験を行います。

11 防災クイズコーナー 12 防災ライブラリー
防災クイズコーナー 端末 防災ライブラリー 風景
全10問の○×式で、2台各々問題が違います。中には横浜の消防・防災に関する問題も。 防災に関する書籍・資料類に加え、解説映像をビデオ端末で見る事ができます。

13 消火体験コーナー 14 画面に水消火器を放射します
消火体験コーナー 外観 消火体験コーナー 内部
比較的小さめの消火体験ブースは、2面がガラス張りで、外からもよく見えます。 当たり判定付きの画面の炎に水を放射。訓練用水消火器は関西でよくあるホース接続式。

15 救急・救命コーナー 16 防災度チェックコーナー
救急・救命コーナー 外観 防災度チェックコーナー
真ん中に置かれた1体の訓練人形で、いざという時の心肺蘇生法法を体験できます。 基礎的な日頃の備えと防災意識を、3択で答えて診断。さて、あなたの点数は?


  
  

体験した印象

2015年4月より、当施設は改修工事に入ったため、下記は訪問当時の評価になります。

 全体を通し、展示を見て回るというのではなく、体験や実験を通しての体感を重視した防災体験館だと感じます。特に、火事の熱や台風の暴風を直に感じる仕掛けがある「災害劇場」のコーナーは、今時のボディソニックや3DCG等がなくても強烈で迫るものがあります。また、ミニ竜巻を実際に起こしてみるコーナーも、直感的で知識をイメージとして掴みやすいにもかかわらず、なかなか余所では見られない貴重な展示かと思います。何より、横浜駅西口から徒歩でも10分程度、バスならすぐ着くロケーションの良さは、車で来られなくても比較的訪問しやすく便利です。

 とはいえ、当施設のオープンは1983年4月。確かに、同時期に建てられた防災体験館に比べると、当時は相当にハイセンスな内容・デザインではあります。随時リニューアルされた体験や展示コーナーもあるものの、全体的にはそろそろ古い部類に入っている事は否めません。特に2階を中心に、昨今の防災事情を踏まえた内容に見直しても良い時期なのかもしれません。

 それとは別に、実は一番気になったのは、(予約はなくても足を運んできた)一般来館者に対するスタッフの接遇です。事務所内での私語が多く、しかも大きくて2階にも響いていました。他の数組いた一般の方はガイドを頼みづらそうにしており、敢えてガイドをお願いした私のグループに気の毒そうに便乗する程でした。多くの施設では、スタッフの方から来場者に近付くのが常ですが、複数グループがいても、来場者を放置する接遇はどうかと感じました。

  
  

横浜市民防災センター 展示室の施設情報

2015年4月より、当施設は施設改修工事のため1年間を目処に休館中です。

 
所在地: 横浜市神奈川区沢渡4-7
URL: http://www.city.yokohama.lg.jp/shobo/bousai/
TEL: 045-312-0119
開館時間: 9:30-16:30
入館料: 無料
休館日: 月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
交通アクセス: 横浜駅西口より徒歩10分、沢渡中央公園隣、横浜駅西口より市営バス1系統「市民防災センター前」下車徒歩2分
駐車場: なし

映像シアター あり 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 あり 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 あり 応急手当 あり
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 随時開催(受付へ申し出て下さい)
10名以上の団体は要事前電話予約