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防災体験館 体験レポート

防災トレーニングジムでスキルを鍛え抜け!マッチョなコンセプトの併設型体験館 レポート
焼津市消防防災センター 防災学習室 訪問'07/01/30


「防災スキルを鍛え抜け!」そんな雰囲気が伝わってくる、トレーニングジム風の雰囲気が個性的な併設型防災体験施設。それが焼津市消防防災センターの防災学習室です。自治体の施設としては異例な、カジュアルでマッチョな強烈個性が光ります。

焼津市消防防災センター 防災学習室の様々な防災体験コーナー

1 焼津市消防防災センター 外観 2 消防防災センターを入ります
焼津市消防防災センター 外観 焼津市消防防災センター 入口
焼津市の消防局と災害担当部署が同居する、消防防災センターに併設されています 立派な入口を入ってすぐ右側が防災学習室、外からも学習室の様子が見えています

3 玄関を入ると防災学習室 4 「地震・雷・家事・親父」コーナー
防災学習室 入口 モニュメント 地震・雷・家事・親父
自由に入れますが、映像シアターや地震体験希望者は、案内カウンターで職員呼出を 入口には、パンチングボールの付いたモニュメント、施設のコンセプトを物語ります

5 防災スキルを磨き、鍛え抜け! 6 地球診断コーナー
公共施設、防災啓発施設には類を見ないタッチが・・・ 地球診断コーナー
地震・雷・火事と並び畏怖されるオヤジも今や希少ですが、災害に負けない頼れる人に! 東海地震のお膝元だけに、津波が起こる海溝型地震の仕組みを解説しています

7 地震体験室「グラッと来たら」 8 地震体験室 内部
地震体験室 外観 地震体験室 内部
ボクシングのリングに見立てた地震体験室、内部はウレタン張りでよろけても安心 3次元起震装置で過去の地震を再現、ウレタンの棚が倒れたり、珍しく余震もあります

9 防災グッズコーナー 10 地震の様々な被害
防災グッズコーナー 重いドラムをぐるぐる回して
バスケットゴールがあるコーナーでは、非常持出品のサンプルをショーケースで展示 吊り輪付き鉄棒に付いたドラムを回して、地震後の土砂災害・津波・火災を学びます

11 地震Q&Aシミュレーション 12 3つの場面で防災力を鍛えます
地震Q&Aシミュレーション 端末 地震Q&Aシミュレーション 画面
安全な対処方法を問われる、バーベルを模したQ&A端末で、防災知識を鍛えます、 発災から避難場所到着まで、様々な場面対応を3択で出題、間違えると体力1ポイント減

13 パネル展示コーナー 14 防災シアター・防災Q&A
パネル展示コーナー 防災シアター 外観
訪問時は新潟県中越地震の写真展、現在は家具固定有無の結果比較コーナー 地震に関する映像作品を順番に上映、中には途中でクイズが出題される作品も

15 防災シアター 内部 16 焼津市の防災体制
防災シアター 内部 焼津市の防災体制
静岡らしく「ちびまる子ちゃんの地震を考える」を上映、他に大人向け映像もあります 地元自治体の防災体制や、自主防災組織の活動、防災関連のパンフレットなどを展示

17 サバイバルトレーニング 18 ロープワーク体験コーナー
遊具状のサバイバルトレーニング ロープ結束体験
脱出のための基本動作を体験できますが、実質的にはキッズコーナーでもあります 避難や救助に使える、もやい結びや本結びなどの結束法を練習できます




  

体験した印象

 主に地震に特化し、体験メニューが地震と映像シアターしかないにもかかわらず、意外に内容が濃いのが第一印象でした。それは、体験メニュー以外の各コーナーが、各々充実した内容だったからかもしれません。また、「災害に負けない頼れる人になるために、トレーニングジムを模した各コーナーで、防災スキルを鍛え抜け!」という明確なコンセプトの元に企画・デザインされた、館内の雰囲気による所も大きいでしょう。ともかく、同じ防災啓発施設で過ごす時間でも、より楽しく過ごせた感があります。

 しかし、目指すべき目標が、入口すぐの「地震・雷・家事・親父」にある様な、マッチョな角刈りオヤジ・・・という、なかなかに体育会的なノリは、およそ公的施設にはないキレ方で、個人的にはそこが一番ツボにはまった点です。他に特筆すべき点は地震体験。四角いリングの上で地震と戦えという、捻りが利いたコンセプトです。全国的にも珍しく、この起震装置では暫く後に余震で再び揺れ出します。なお3次元での再現地震は、関東大震災・十勝沖地震・日本海中部地震・阪神大震災などがあります。海に面した焼津市なので、今後東日本大震災の収録が求められると思います。

 これは要望ですが、津波が起きるタイプの地震を市民が身をもって判別できるよう、海溝型地震や(アウターライズ地震などの)津波地震と、陸域での直下型地震の両方を体験させ、違いを認識させる地震体験へと提供方法を改善しては如何でしょうか(新たな設備投資は不要ですし)。
また、地震以外のコンテンツ配置が難しいスペース的制約、また地域柄を考慮し地震に特化するなら、津波対応をもっと増やしても良いと思いました。ただ、アスレチック的コーナーや、研修コース時間・内容から、主に小さな子ども達の利用が多いと思われるので、今の路線に落ち着いているのでしょう。

 なおこの防災学習室は、事前予約をしない限り、基本的に職員は常駐していない様です。地震体験や映像シアターを体験せず、他の展示をただ眺めて回るだけでは勿体ないので、施設に着いたら、案内カウンターから職員を呼び出して、対応して頂くことをお奨めします。

  
  

焼津市消防防災センター 防災学習室の施設情報

 
所在地: 静岡県焼津市石津728-2 消防防災センター1F
URL: https://www.city.yaizu.lg.jp/g01-007/bousai_gakushuu.html
TEL: 054-623-2554
開館時間: 9:00-17:00
入館料: 無料
休館日: 年末年始
交通アクセス: JR焼津駅南口より、静鉄バス焼津大島線「天野医院前」下車徒歩3分
駐車場: あり

映像シアター あり 消火体験 土砂災害
119番体験 煙避難体験 火山
地震体験 あり 水害 応急手当
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 要事前予約、以下3種類の「研修コース」または希望内容を指定
初級体験コース(10分)、中級学べるコース(20分)、上級生き残りコース(50分)
詳細内容は上記公式サイトを参照