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防災のポイント・提言集

突発地震でも身を守るわずかな時間を生み、津波避難を促す災害情報 ポイント
突然の地震に役立つ緊急地震速報・緊急警報放送  

テレビで情報収集  災害が起きそうな時や災害が起きた後、テレビから情報を得るのが一般的と思います。風水害・土砂災害・火山噴火・雪害などは、ニュース・天気予報などで、事前にある程度は状況を予測できますが、突然やって来る地震ではそうもいきません。

 このページでは、突発地震や津波など一刻を争う情報を伝える、緊急地震速報と緊急警報放送について解説します。いざという時のために憶えておきましょう。

緊急地震速報 (Emergency Earthquake Warning、略してEEW)

気象業務支援センター 緊急地震速報ロゴ  緊急地震速報は、発生した地震を探知・分析して、地震の強い揺れが届く数秒から数十秒前に知らせる世界初の地震直前警報システムです。2004年に試験運用が開まり、2007年10月より本格運用から2009年3月末までの間に、震度5弱以上と予測した一般向け速報(警報)を9回、それ未満の震度速報は847回発表されています。

緊急地震速報のしくみ

      緊急地震速報は、全国約1000箇所の地震計データを気象庁のシステムで解析、気象業務支援センターから全国の放送局・配信事業者・自治体を経て私達に届きます。防災機関などの「高度利用者向け」には、大小に関わらず情報が配信されますが、最大震度5弱以上の揺れが予想される場合は、一般向けに警報が出されます。

 理科の授業で習った通り、地震が起きると、秒速約7kmで先に届く初期微動(P波)と秒速約4kmで後からやって来る主要動(S波)の、2種類の地震波が発生します。緊急地震速報では、1箇所の観測点で初期微動(P波)を検知すると震度解析・予測を始め、基準値以上になると第1報を配信。以後、情報精度が増す毎に順次情報が配信され、できるだけ主要動(S波)が到達する前に情報が伝える仕組みとなっています。

 これまで地震の事前警報など困難だった事を考えれば、数十秒程度とはいえ、事前の心構えができたり、安全確保など減災措置を行う余裕を生まれたのは、まさに画期的と言えるのではないでしょうか。


  

緊急地震速報を利用するには?

  携帯電話 テレビ・ラジオ 配信業者利用 防災行政無線 館内車内放送


画面表示や音声で警報

画面表示や音声で警報

警報機器・PCソフトで警報

同報無線で地域一帯に警報

館内・車内放送で警報

無料かつ身近 無料かつ一般的 予想震度・猶予時間告知など多機能 無料、J-ALERTと連携で自動放送可 無料、自動放送で比較的早く告知

震度・猶予時間告知や、テレビ・ラジオでは電源オフからの機器強制起動がない 有料(月数百円〜数万円まで様々) 非対応自治体や情報伝達制約が多い 混乱防止で震度・猶予時間を言わない

 主なものでは上記形態があります。なお「配信業者利用」とは、自宅や事務所などで、緊急地震速報受信端末やパソコン用受信ソフトを利用する方法の事。こちらは、高度利用者向け緊急地震速報を利用するため、予想震度や到達残り時間の表示や音声読み上げ、安全確保方法の音声案内など、一般向け速報に比べ便利で多機能ですが費用が必要です。主に、以下の利用形態があるので、ご自分に合った形態を選んでみましょう。

  • 受信端末購入費用(数万円程度)+専用電話回線または配信料の月額費用
       →外部機器との連動可能製品が多いため、企業・団体等での利用に適しています
  • 光ファイバー/ADSL/CATVなど常時接続ネット環境+受信端末月額利用料
  • 同上+受信端末購入費用(1万円程度)+月額配信料
  • 同上+受信ソフト月額利用料
       →最安ですが当然パソコン起動時のみ動作、店舗・事務所や在宅がちな家庭に向きます

    関連コンテンツ・参考リンク
    HTML 気象庁 緊急地震速報について
    (緊急地震速報の大元による、仕組みや心得など基本情報、解説ビデオも)
    HTML (財)気象業務支援センター 緊急地震速報  (緊急地震速報の送信機関による解説)
    HTML NHKオンライン 緊急地震速報  (NHKでの放送形式や利用の心得、解説ビデオも)
    HTML NHKオンライン ラジオの緊急地震速報  (ラジオでの警報音サンプルが聴けます)
    HTML TBSラジオ 緊急地震速報 2008年4月1日スタート
    (在京民放9放送局での対応や警報基準を紹介)
    HTML 緊急地震速報利用者協議会 関連事業者の紹介  (配信事業者や、受信機器・ソフトウェア情報)

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    緊急地震速報の基本的心得

  • 緊急地震速報で、直前の心構えや安全確保が可能になった
  • 発生した初期微動を分析し、主要動が届く前に大きな揺れの対象地域へ警報する
  • 地震予知ではなく地震検知警報システムである
  • 緊急地震速報を見聞きしたら、屋内外問わず、まず身の安全を図る
  • 運転中ならゆっくり路肩へ停車し、施設や車内では案内放送があれば従う
  • 有用なシステムだが震源が近い地震では間に合わず限界もある

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