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体験した印象
交通アクセスも良く、コンパクトでも体験コーナー中心の多彩なコーナーをコンセプト良く配列した、消防署併設型にしては意欲的で教訓的な防災体験館です。通常、本施設くらいの規模であれば、救急体験コーナーや地震体験コーナーは無い事が多いものです。また、解説パネルは必要最低限に留め、基本的には参加型の映像コーナーや体験コーナーなどのインタラクティブ性の重視が伺える施設でもあります。また、コーナーの配列順に脈絡や災害時の現実の順序が感じられない施設も多い中、本施設では、まずどんな場合でも大切な救命処置と119番通報、そして災害の基礎知識、次いで地震・初期消火・煙避難体験といった、ある程度の整合性・ストーリーを感じるコーナー配置が見られるのも良いコンセプトです。これらが相まって、楽しく触れて知識も身に付く、啓発施設として効果的なバランスを生み出しています。
ただ、ハードは良くても啓発施設としての運営上のソフト面で残念さが残る訪問となりました。まず1つ目は、動かない展示機器が多すぎること。各コーナーで、ポイント解説やポイントのまとめとして設置されている、ビデオやクイズ機器の多くが「調整中」で使えなくなっていました。1997年のオープンから15年以上が過ぎた事による老朽化や、救急コーナーの様に教授内容が古くなり使えなくなった物もあると伺えます。
2つ目は、来館者への施設職員の放置ぶり。その施設の普段の姿を見たいため、基本的に事前予約なしでその施設を訪問する我々はもちろん、後から別々に来た2組の家族にも誰も応対がなく、防災センターの電気も消えたまま。常々予期して訪問する我々は良いとして、2組のご家族は中を見る事無く帰ってしまったのは実に残念です。
訪問予約者がなければ、使わない電気を消すのは省エネルギーのため特段驚きません。しかし、本施設は防災センター向かいの事務室からこちらの様子が見えるうえ、活動服を着た消防局職員が沢山ロビーを行き来してはこちらを見ている(真っ暗な中で施設をウロウロしていれば当然怪しい)にも関わらず、滞在した1時間ほどの間、誰からも声を掛けられる事もありませんでした。かくて、本ページの掲載写真はかなり薄暗い中フラッシュを多用して撮影し、更に明るく画像編集したものばかりとなりました。 (こちらから一声掛ければ済む事ですが、今回の様に、啓発施設のすぐそばに職員事務室がある場合、敢えて声を掛けずに佇んでスタッフの対応を見る事にしています。)
1つ目の機器の使用不能については、2015年4月の施設リニューアルで解決しました。2つ目に関しては、啓発施設を運営する以上、公務員にもある程度の広報意識は必要な点を意識する事でしょうか。しかし、来館者に目を配る余裕が無いなら、スイッチ式または人感センサー式呼び出しチャイム、もしくはインターホンを受付カウンターに設置するか、そうでなくとも「御用の方は○○○までお声掛け下さい」程度の案内標示を置くだけでも解決できると思いますが、如何なものでしょう。
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