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防災体験館 体験レポート

地震・煙避難・通報体験に加え、高層階避難器具体験もできる単独型体験施設 レポート
北海道 千歳市防災学習交流センター そなえーる 訪問'12/7/25


千歳市防災学習交流センター「そなえーる」は、2010年オープンの、主に地震と火災の防災体験館。防災訓練広場に隣接した広く開放感のある館内では、全国から地元の大地震まで、8種類の再現地震を体験できるほか、全国では数少ない、高層建物からの避難に用いる緩降機や救助袋を体験できる避難器具体験コーナーもあります。

千歳市防災学習交流センター そなえーる 概要

1 そなえーる 外観 2 車で来ても安心の広大な駐車場
千歳市防災学習交流センター そなえーる 外観 そなえーる駐車場 入口に大きな看板あり
防災学習交流センターは、そなえーると2つの野外ゾーンと併せた広大な敷地を誇ります 普通車120台以上、障がい者と大型車は各3台ずつと、余裕の駐車スペース

3 防災訓練広場も隣接 4 そなえーる 建物入口
防災訓練広場とヘリポート そなえーる 建物入口
広大な訓練広場とヘリポートも隣接、平時は訓練に、災害時は支援集結拠点となります 駐車場端から建物入口までは、屋根付きの通路が。駐車場は建物の反対側にもあり

5 まずはロビーで受付を 6 腕用ポンプ ロッカー 自販機
そなえーる エントランス 受付 そなえーる 腕用ポンプ コインロッカー
ロビーには記念撮影用ミニ消防車、受付後、階段とエレベーターで見学体験ゾーンへ 大正11年製、千歳消防組の手動消防ポンプを展示、コインロッカーや自販機もあり




  

災害学習ゾーンの展示内容

1 防災学習ゾーン 全景 2 千歳市の災害と取り組み
そなえーる 防災学習ゾーン 全景 千歳市の災害と取り組み
防災学習ゾーンでは、地元の災害と、自助・共助・公助の基礎を展示を通して学びます 千歳の災害面での地域性と、過去の主な災害の歴史を知ることができます

3 千歳での自助・共助・公助 4 家庭の防災対策
千歳での自助・共助・公助 家庭の防災対策
千歳市の公助(公的支援態勢)や、自主防災組織など地域での助け合う共助を解説 家具固定などの家屋対策から、災害発生から被災生活で必要になる非常持出品を紹介


  
  

災害体験ゾーンの展示内容

1 災害体験ゾーン 全景 2 消防服展示コーナー
そなえーる 災害体験ゾーン 全景 千歳消防 消防服展示コーナー
2,3階が吹き抜けの広々した館内に、様々な防災体験や展示コーナーが並んでいます 千歳での消防活動で使われる、昔の防火衣や現在の消防服・防護服が展示されています

3 地震体験コーナー 4 体験できる再現地震の種類
地震体験コーナー 外観 地震体験コーナー モニター
3次元起震装置での地震体験、クッション付きポールにしがみ付くと揺れをより実感 主要地震に加え、十勝沖地震や北海道南西沖地震、有珠山火山性地震も再現可能

5 予防実験コーナー 6 防火・防災用品を紹介
予防実験コーナー 外観
日に数回、天ぷら火災やコンセントからの出火(トラッキング現象)を再現して防火啓発 消火器やスプレー式簡易消火具などの消火器具、また各種防災用品の実物を展示

7 119番通報体験コーナー 8 通報体験コーナー ブース内
119番通報体験コーナー 外観 119番通報体験コーナー ブース内
携帯電話と固定電話からの火災・事故・急病の3場面から選んで、通報体験ができます 画面に映る現場状況や司令センターからの呼び掛けへ、どう反応するかで結末が変わる

9 煙避難体験コーナー 10 煙が見える透明部分もあり
煙避難体験コーナー 外観 煙避難体験コーナー 体験風景
火災での煙の危険性と、死なないための避難方法を学び、暗い迷路内で実地体験します 見学者は、透明通路の煙で特性を学び、体験者も先の暗闇通路で避難方法を体験

11 防災情報検索コーナー 12 防災マップやクイズもあります
防災情報検索コーナー 外観 防災情報検索コーナー メニュー画面
タッチパネル式の情報端末が3台並び、千歳市の各種ハザードマップなどを見られます ハザードマップの他に、防災基礎知識、家庭の防災対策、防災クイズも楽しめます

13 屋内訓練室の中には 14 避難器具体験コーナーが
屋内訓練室 入口 避難器具体験コーナー 全景
災害体験コーナーから仕切られた体育館風の部屋は、団体の訓練等に使われます ホテルやマンションにある避難器具で、実際に下の階まで降りる避難体験ができます

15 救助袋<での降下体験 16 緩降機での降下体験
避難器具体験コーナー 救助袋降下体験 避難器具体験コーナー 緩降機降下体験
ビルなどの脱出用シューター(滑り台)の体験もできます、避難体験は年齢・体重制限あり この日は、同じくビルなどにあり、2,3階からゆっくり降下できる緩降機を体験しました

17 千歳市の災害史 18 展望デッキもあります
千歳市の災害史 展望デッキ
2階の災害学習・体験ゾーンを見下ろす3階通路で、千歳市での災害の歴史を展示 外に突き出た展望デッキから、昔噴火した樽前山など支笏湖周辺の山々を望めます


  
  

体験した印象

 地震と火災体験が主体の施設ですが、じっくり楽しめば、半日は過ごせそうな充実の内容。北海道郊外ならでは開放感を感じる、広々した館内も特徴的です。中でも、外周部がガラス張りで、充満する煙の様子を見ながら煙の特性を学べる煙避難体験コーナー。床から突き出たクッション付きポールに捕まって、揺れを直に感じられる地震体験コーナーなどは、一般的な防災体験館・防災センターとは違うなかなかの出来です。特に、高層建物からの避難器具を実際に体験できる避難器具体験コーナーは、普通の防災体験館・防災センターにはなく、マンション住民や、中高層ビルなどにお勤めの方には、是非とも体験される事をお薦めします。(年齢・体重制限があります)

 なお、火災消火体験や倒壊瓦礫からの救助体験は、施設屋外の「学びの広場」で体験できるので、お時間の許す方はあわせて体験すると良いでしょう。

 通常は、1グループ毎に1人のスタッフが付くのが、全国的なガイドツアーの傾向ですが、訪問当日は、夏休み中で平日でも来場者が多いためか、各コーナー毎にスタッフがいる所を順次回るスタイルとなりました。結果、3人のスタッフさんからご案内頂く事になったのですが、マニュアル的に憶えさせられて言っている(=理解しておらず確信がこもっていない)感覚が強く見られます。(食物アレルギー患者向けの市販非常食や市の公的備蓄はあるか、被災してケガをした人は避難所に運ぶのが正解か、等)多少突っ込んだ程度の基本的な質問をした位で、ほぼ答えに窮しており改善の余地ありと感じます。もっとも、マニュアルを作られた方々のご努力は伺え、コーナー毎の解説内容などは簡潔ながら的確で中の上レベルの良い感じでした。あとはガイドスタッフ自身への防災教育を是非ともお願いしたいところです。

  
  

千歳市防災学習交流センター そなえーるの施設情報

 
所在地: 北海道千歳市北信濃631-11
URL: http://www.city.chitose.hokkaido.jp/
index.cfm/98,51876,192,1016,html
TEL: 0123-26-9991
開館時間: 10:00-17:00
入館料: 無料
休館日: 月曜・毎月最終火曜・年末年始
交通アクセス: JR千歳駅より、北海道中央バス稲穂団地線「フードD5前」「あずさ3丁目」下車徒歩10分
駐車場: 普通127台・大型3台・障がい者3台

映像シアター 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 あり 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 応急手当
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 随時開催(受付へ申し出て下さい)
10名以上の団体は要事前予約