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防災体験館 体験レポート

伊勢湾台風被害や家庭の防災・防火を啓発する、河川防災拠点併設型施設 レポート
三重県 鈴鹿市河川防災センター 防災展示コーナー 訪問'12/6/25
鈴鹿市河川防災センター 防災展示コーナー 内部

三重県北部、鈴鹿サーキットでお馴染みの鈴鹿市。鈴鹿山脈から伊勢湾までの広い市域ですが、水害に見舞われる土地柄でもあり、そんな鈴鹿川の河川敷にあるのが鈴鹿川河川防災センターです。国土交通省が整備した水防活動用備蓄・作業ヤードである河川防災ステーションと、鈴鹿市の河川緑地管理棟と防災展示ホールなどが同居し、平成15年に完成した施設です。

鈴鹿市河川防災センターの概要、河川防災ステーションとしての機能

1 鈴鹿川河川緑地にあります 2 特徴的な外観のセンター建物
鈴鹿市河川防災センター 周辺環境 鈴鹿市河川防災センター 入口
鈴鹿川右岸(海側)の堤防道路沿い、河川緑地スポーツ施設そばにあります センター建物は、ガラス張りの2階と、一風変わった屋根が特徴的な外観です

3 広い駐車場にヘリポート 4 様々な機能が一つに集約
鈴鹿市河川防災センター 駐車場 ヘリポート 鈴鹿市河川防災センター 建物
広い駐車場は普通車75台・大型2台分、真ん中に緊急用ヘリポートもあり 1階は管理事務所・防災展示コーナー・水防倉庫、2階は平時と災害時で役割が異なります

5 国交省の河川防災ステーション 6 水防作業用ヤード
国土交通省 鈴鹿川河川防災ステーション 鈴鹿川防災ステーション 案内看板
建物東側は、大規模水害に備え国交省が整備した、資材事前備蓄と復旧作業基地 トラックや重機などで、堤防補修や保護の為の大型土嚢を作るための作業スペース

7 水防用備蓄土砂の築山 8 水防用備蓄ブロック集積所
鈴鹿川防災ステーション 水防用備蓄土砂の築山 鈴鹿川防災ステーション 水防用備蓄ブロック集積所
土嚢作成用の備蓄土砂が山に、平時は遊び場にも、周囲にベンチや休憩所もあり 堤防保護用の大型根固めブロックの備蓄場所、こちらは事故防止にフェンスあり



  

鈴鹿市河川防災センター 防災展示コーナーの展示内容

1 河川防災センターに入ります 2 1階ロビーの風景
鈴鹿市河川防災センター 建物入口 鈴鹿市河川防災センター 1階ロビー風景
一つの建物に様々な施設が同居、普段から市民が触れる、災害対応・避難施設です 右に防災展示コーナーと自動販売機、左は会議室や河川敷スポーツ施設の管理事務所

3 昭和34年伊勢湾台風の被害写真 4 水害に加え防火や防災グッズも
鈴鹿市河川防災センター 昭和34年伊勢湾台風 周辺被害写真 鈴鹿市河川防災センター 実物展示
伊勢湾台風での市内の被害を展示、鈴鹿は昭和49年7月洪水でも大被害を受けました 地域防災の歴史や家庭の防災対策について、実物を交えた展示もあります

5 明治42年製の腕用ポンプ 6 大きなハザードマップ類
鈴鹿市河川防災センター 広瀬地区の腕用ポンプ 鈴鹿市河川防災センター 親水・液状化ハザードマップ
明治末期、旧鈴鹿郡高津瀬村広瀬地区で導入された、移動式手動消防ポンプを展示 鈴鹿川浸水被害想定図や、河川地盤での地震液状化危険度も、大判で見られます

7 昔と現代の消防資機材 8 明治時代の消防資機材
鈴鹿市河川防災センター 昔と現代の消防資機材 鈴鹿市河川防災センター 明治時代の消防組資機材
現代の自治体(常備)消防と、それが無く住民での消防組の頃の消火機材を比較展示 当時の消防組が使った、防火服や水鉄砲(龍吐水)、破壊用とび口などを見られます

9 家庭の防火用品 10 家庭の非常持出品
鈴鹿市河川防災センター 家庭の防火用品 鈴鹿市河川防災センター 家庭の非常持出品
住宅用火災警報器や消火器を、用途別に様々な種類別に実物を展示しています 一般的な非常持出品の中身の例を実物で展示、我が家に更に必要な物を考えましょう

11 2階は平時と災害時で異なる機能 12 お帰りは防災マップを手に
2階 ガラス張りの会議室 お帰りに出口で防災マップを
平時は貸会議室、災害時は水防従事者待機室、他に小会議室兼仮眠室やシャワー室も 出入口脇に、鈴鹿市内各所の防災マップあり、持ち帰って我が家・地域のご確認を


  
  

体験した印象

 多くの市民が利用する、防災とは別分野の行政施設に併設された防災啓発コーナーです。体験コーナーはありませんが、伊勢湾台風での市内各所の被害写真や、家庭の防災・防火グッズを展示。1階の管理事務所には、鈴鹿川河川緑地の各種スポーツグラウンドの利用者が訪れ、2階の大小会議室は普段から市民活動に活用されており、市民が接する機会の多い場所に設けられているのが特徴です。

 ただ、外水・内水氾濫想定区域という地域性、水防施設としての性格、展示スペース上の制約を考えると、展示内容が少々脈絡がありません。腕用ポンプや龍吐水などの昔の消防資機材は、ここではなく消防本部で展示として、この施設では、家庭での水害対策にコンセプト絞って、水害基礎知識・平時の対策・避難方法を具体的に展示解説して欲しいと感じました。

 例えば、外水・内水氾濫の危険、種類毎の危険地域と避難場所、浸水してからの避難の危険や困難さ、水害時の災害情報と避難のタイミング、家庭での止水対策(対象場所、簡易水嚢の作り方、吸水性土嚢)、水害時の避難方法と注意点(垂直避難含む)、非常持出品と水害地域でのプラスアルファ品目などがあります。全部でなくてもこういった点を含めて頂けると良いと提案します。事情さえ許せば、東京消防庁本所防災館や福知山市防災センターの様な、家庭版・自動車版水圧ドア体験マシンがあってもいいでしょうか。

  
  

鈴鹿市河川防災センター 防災展示コーナーの施設情報

 
所在地: 三重県鈴鹿市庄野町981-1 河川防災センター1F
URL: http://www.city.suzuka.mie.jp/
life/shisetsu/9910.html
TEL: 059-370-8099
開館時間: 8:30-17:00
入館料: 無料
休館日: 年末年始
交通アクセス: 近鉄平田町駅より、三重交通バス近鉄四日市行き、または鈴鹿市コミュニティバス椿・平田線、「鈴鹿高校」下車徒歩約5分
駐車場: 75台

映像シアター 消火体験 土砂災害
119番体験 煙避難体験 火山
地震体験 水害 あり 応急手当
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー なし(自由見学)