家庭の自助と地域共助−市民防災対策を提案する
市民防災ラボ
  
ホーム > 体験レポート > 防災体験館・防災センター
防災体験館 体験レポート

地震と火災の体験ができる、標準的な消防署併設型防災体験施設 レポート
福島県 郡山市広域消防本部 防災コーナー 訪問'12/12/5


福島県は中通り地方、県内第一の商業都市郡山市。JR郡山駅西口から約700m・10分ほどの場所にあるのが、郡山市広域消防本部 防災コーナーです。地震と火災の体験コーナーと、防災展示ホールからなる、地方主要都市では標準的な規模の、消防署併設型防災体験施設です。

郡山市広域消防本部防災コーナー 1階防災体験・展示コーナー

1 郡山市広域消防本部にあります 2 庁舎入口の1,2階が防災コーナー
郡山市広域消防本部 郡山消防署 外観 郡山市広域消防本部 郡山消防署 防災コーナー部分
JR郡山駅西口から徒歩10分、うすい百貨店の脇を抜け、国道4号奥州街道沿いにあり ガラス張りの庁舎南側に入口あり、吹き抜けのある1階と2階が防災コーナーです

3 防災コーナー フロア案内図 4 受付と記念写真コーナー
防災コーナー フロア案内図 郡山市広域消防本部 受付
入口すぐに施設案内、震災以降、体験コーナーの利用は予約・申込制になりました 予約の場合は受付でスタッフと合流、記念写真用になぜか住宅用火災警報器みこしが

5 郡山市の消防体制 6 地震体験コーナー
郡山市の消防体制 地震体験コーナー 外観
郡山市だけでなく、三春町・田村市・小野町の2市2町の消防体制を案内 2次元起震装置で任意震度や過去の地震を再現、まずは4分ほどの解説映像を見ます

7 台所(ダイニング)風の体験ブース 8 「地震だ火を消せ」を指導
地震体験コーナー ダイニング風体験室 地震体験コーナー 表示パネル
台所にいる場面で、再現地震は関東大震災や阪神淡路大震災などの揺れを体験します 揺れと同時に、ガスコンロ・湯沸器や石油ストーブの火の始末をしたか、パネルに表示




  

郡山市広域消防本部防災コーナー 2階防災体験・防災展示ホール

1 2階は火災体験と防災展示ホール 2 消火体験コーナーと防災Q&A端末
2階防災展示ホールの風景 赤外線式消火体験コーナー 防災Q&A端末
2階は郡山消防署のフロア、吹き抜け部分は火災体験コーナーと展示ホールがあります 実際の火災発生や消火方法の解説映像を見て、赤外線式消火器で消火体験に挑戦

3 煙避難体験室 4 火災からの
煙避難体験室 外観 煙避難体験室 解説映像
無害な煙が充満したり停電で見えない中、より安全な避難方法を体験できます 体験コーナー出入口にあるモニターで、煙の危険性と避難方法を3分の映像で学べます

5 展示ホール 郡山の消防の歴史 6 明治時代の消防資機材
防災展示ホール 郡山の消防の歴史 消防組 纏と腕用ポンプ(恐らく田村町のもの)
郡山周辺で起きた自然や消防活動の歴史の紹介、昔使われた消防資機材を展示 明治時代の消防組の頃に使われた、まといや腕用ポンプ(手動消火用ポンプ)を展示

7 大正時代の動力ポンプ 8 現代の消防資機材も展示
大正時代のガソリンポンプ 現代の消防資機材
消火用ポンプも人力からガソリンポンプへ、消防近代化の歴史の証人です 消防隊が火災現場で使う、空気呼吸器と面体(全面マスク)も展示していました

9 防災展示ホール その他の展示 10 非常持出品や家庭用防火用品
防災展示ホール その他の展示コーナー 非常持出品 家庭用防火用品
1階より広いスペースを活用し、家庭での防災・防火対策を展示解説しています 非常食などの非常持出品や、家庭用消火具など、家庭で備える市販品を紹介展示

11 江戸時代の火消し用具も展示 12 ビデオコーナー、住宅用火災警報器
江戸時代の火消し用具 刺又・水鉄砲
江戸時代の町火消しが使っていた、刺又(さすまた)や巨大水鉄砲の実物も保存展示 各種防災ビデオの上映コーナーや、住宅用火災警報器の設置場所を模型で解説

13 応急手当コーナーもあります    
  
解説パネルと訓練人形で心肺蘇生法も体験可能、ですが解説内容が既に旧版です  


  
  

体験した印象

 地震と火災の体験ができる、地方主要都市では標準的な、消防署併設型の防災体験施設です。初期消火シミュレーターは赤外線式で、他館では見せる事の少ない実際の火災の燃え方や消火方法などの解説映像も見られます。地震体験室の前後左右だけの2次元起震装置ですが、任意震度に加えて、関東大震災や阪神淡路大震災などを(横揺れだけ)再現できます。2015年時点でも、福島県内には年中常設で利用できる防災体験館は少ないので、この施設は貴重です。

 一方、予算面での都合からか、一部の啓発内容が古いままなのが気になりました。例えば、2階応急手当コーナーの心肺蘇生法解説パネルは、救急蘇生ガイドライン2005の内容のままで、現在では胸骨圧迫を先に行うなど、より簡便で救命率の高いプロトコール(手順)に変わっています。また1階地震体験室も、現代では負傷に結び付くため教えなくなった啓発内容の痕跡が残っていますが、現在は施設を活かしつつ、まず身を守る行動を啓発している様です。
(参考:防災のポイント−「地震だ火を消せ!」から今は「地震だ身を守れ!」

 なお東日本大震災以降、本来の目的とは異なる、県外からの営利事業ツアーなどの来館希望者が増えた事が各所から伺え、現在は平日のみの開館となってしまいました。加えて、体験コーナーの利用には、個人・団体問わず事前の電話予約と利用依頼の提出が必要となり、利便性が犠牲になってしまったのは残念な限りです。

  
  

郡山市広域消防本部 防災コーナーの施設情報

 
所在地: 福島県郡山市堂前町5-16 郡山広域消防本部(郡山消防署)1,2F
URL: http://www.shobo.koriyama.fukushima.jp/
modules/inform/index.php?id=7
TEL: 024-923-1740
開館時間: 9:00-16:00
入館料: 無料
休館日: 土曜・日曜・祝日・年末年始
交通アクセス: JR東北本線郡山駅西口より、フロンティア通りを徒歩約10分
駐車場: なし

映像シアター 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 応急手当 あり
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 随時開催(個人・団体問わず要電話予約