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防災体験館 体験レポート

実物大の震災後の街並で防災スキルを学ぶ、消防署併設型の防災体験館 レポート
東大阪市消防局 防災学習センター 訪問'10/2/11
東大阪市消防局防災学習センター 内部

ラグビー界の甲子園、近鉄花園ラグビー場のお膝元、東大阪市にあるのが東大阪市消防局 防災学習センター。そんな地域性も垣間見られる館内では、実物大の震災後の街中セットで、いざという時のスキルを学ぶ防災体験ができます。

防災学習センター概要、4階 防災学習ゾーン

1 東大阪防災学習センター 外観 2 センターは4階から入場します
東大阪市消防局 外観 東大阪市消防局防災学習センター 入場口
近鉄奈良線若江岩田駅より徒歩8分、庁舎南側(写真右側)のガラス張り部分にあります エレベーターで4階の入場口へ、4階防災体験ゾーンから3階退場口まで一方通行です

3 消防士の防火服と試着コーナー 4 非常持出品と防炎品
消防服展示コーナー 非常持出品コーナー
消防隊員・救助隊員の制服を紹介、消防隊用の防火服は、大人用・子供用を試着可能 防災用品解説に加え、5kg・10kg・15kgの重さの持出袋を実際に持ち比べができます

5 防災Q&Aコーナー 6 東大阪らしさが出ています
防災Q&A端末と吹き抜けの館内 防災Q&A端末 画面
防災学習ゾーンは吹き抜けで開放感あり、タッチパネル式の防災クイズ端末は2台設置 ラグビーの街らしいキャラと一緒に、地震編などのクイズに挑戦、正解すると1トライ成功

7 地域防災情報マップ 8 日頃の準備と避難の仕方
地域防災情報マップ
東大阪市を7つに分けて、災害時の避難場所など地域の防災施設を確認できます 地震や風水害が起こった時の避難の仕方や、日頃から防災対策を学べます

9 入場時にもらった腕輪を装着 10 防災体験ゾーンに入場します
ICタグ付きリストバンド 防災体験ゾーン 入場ゲート
入場時に渡されたICタグ付きリストバンドは、この後の体験コーナーを進むのに使います リストバンドをかざして入場です。各体験コーナーの成績が記録され修了証に反映




  

3階 防災体験ゾーンの体験内容

当施設は2012年に一部リニューアルしており、以下は2010年当時のものです。

1 3階防災体験ゾーン 全景 2 迫力の3D防災体験シアター
3階防災体験ゾーン 全景 防災体験シアター 内部
防災体験シアターの左には、地震体験や修了証発行コーナー、手荷物品ロッカーもあり 火事・台風・地震で被災する、散々な家族の1日を、3Dメガネの立体映像で追体験

3 二次災害防止体験コーナー 4 何気ない朝のひとときに・・・
二次災害防止体験コーナー 内部 二次災害防止体験コーナー テレビ画像
シアターを抜けると、家庭の台所を模した部屋に。災害後の二次災害への対応を学習 部屋のテレビから、朝の情報番組が流れますが、突然・・・

5 地震直後に行う対応を学ぶ 6 煙避難体験コーナー
二次災害防止体験コーナー 発災後の対応 煙避難体験コーナー 内部
テレビ番組風の映像に合わせ、大規模地震が収まった後の、二次災害を防ぐ対応を確認 続いて煙体験コーナーへ、シアターでの地震発生から、一連の流れで体験が続きます

7 初期消火体験コーナー 8 水消火器で2つの火事を体験
初期消火体験コーナー 外観 初期消火体験コーナー 体験風景
2画面4人同時体験可能、消火法解説に続き、天ぷら火災やストーブ火災の消火体験 実際に水消火器を放射し画面の炎に当てるタイプ、当たり判定付きで成功もあれば失敗も

9 被災地体験コーナー 10 崩れた家に閉じ込められた人が
被災地体験コーナー 崩壊したほろよい横丁 被災地体験コーナー 倒壊家屋内
大地震後の街中を実物大で再現した「ふれあい町」の各所が体験コーナーになっています 崩れた木造アパートの1階に人が!でも2階からは火が、こんな時どうする?

11 119番通報体験コーナー 12 様々な状況での通報を体験
119番通報体験コーナー 全景 119番通報体験コーナー 体験風景
ほろよい横丁の奥は119番通報コーナー、3つのブースで同時に体験ができます 火事や救急の場面、また固定電話・携帯電話・公衆電話の3タイプで通報体験

13 次は車に挟まれた人を発見 14 ジャッキを使った救出法体験
救出体験コーナー 外観 救出体験コーナー ジャッキ救助
青果店とびや軒先の軽自動車で、人が下敷きに、挟まれた人を救助しましょう 救助隊が来られない災害時は、車のジャッキや角材などの身近な道具が救助に使えます

15 応急処置体験コーナー 16 映像を見て訓練人形で実践
応急処置体験コーナー 外観 応急処置体験コーナー 救命処置法ビデオ
人形が幾つも倒れている、ふれあい医院前では、いざという時の救命処置法を学びます ビデオとガイドの解説に沿って、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使い方を体験

17 地震体験コーナー 18 様々な地震を再現できます
地震体験コーナー 外観 地震体験コーナー 想定地震
3次元起震装置で、阪神淡路大震災や想定東南海・南海地震など6種の地震を体験可能 再現地震体験では、大画面映像での解説と地震波形に合わせて揺れが起こります

19 最後に退場ステーションで 20 修了証を印刷してお持ち帰り
退場ステーション 修了証印刷
防災体験の締め括りは退場ステーション、ICタグ付きリストバンドを機械にかざすと 体験結果に応じて体験学習修了証が印刷され、持ち帰る事ができます


  
  

体験した印象

 ひとことで言えば大阪市立阿倍野防災センターのミニチュア版防災体験館」という感じ。各コーナーの内容や設置機器もほぼ共通しています。ですが、劣った内容だという事ではありません。関西屈指のレベルを誇る阿倍野防災センター直系の、高い教訓度とエンターテイメント性を高次元で両立した内容で、こちらも民間アミューズメントパーク並のレベルです。東日本でも、これくらいのレベルの体験ゾーンを持った防災体験館が、もっと登場して欲しいものです。

 特に、防災体験シアターでの災害発生から、災害後の処置、煙避難・初期消火・119番通報、救出・応急手当へと、実際の流れで体験コーナーが続く点は、阿倍野防災センター同様に実際的です。

 被災地体験ゾーン全般に、再現セットの本格度がやや劣るきらいはありますが、防災学習センターの規模に見合った内容と分量でもあり、大きなマイナス要素は当館に於いてはあまり感じられませんでした。強いて言えば交通アクセスで、来庁者駐車場がないため、マイカー利用や団体の場合は苦労しますが、近隣の近鉄若江岩田駅周辺の有料駐車場を利用すると良いでしょう。

  
  

東大阪市消防局 防災学習センターの施設情報

 
所在地: 大阪府東大阪市稲葉1-1-9 東大阪市消防局4階(市民文化会館 北向かい)
URL: http://www.city.higashiosaka.lg.jp/hfd119/
TEL: 072-966-9998
開館時間: 9:30-17:00
入館料: 無料
休館日: 月曜(祝日の場合翌日)・年末年始
交通アクセス: 近鉄奈良線若江岩田駅より県道21号線を北に徒歩8分。近鉄けいはんな線荒本駅より、近鉄バス近鉄八尾駅前行き「菱江」下車徒歩約2分
駐車場: なし

映像シアター あり 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 あり 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 応急手当 あり
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 随時開催(受付へ申し出て下さい、個人は予約不可)
10名以上の団体の場合、事前に電話で日程予約の後
センターWebサイトにある所定の用紙に記入してFAXか郵送