家庭の自助と地域共助−市民防災対策を提案する
市民防災ラボ
  
ホーム > 体験レポート > 防災体験館・防災センター
防災体験館 体験レポート

体験内容豊富な西日本屈指の防災体験館、SEGA独自開発の防災ゲームも特徴 レポート
京都市市民防災センター 訪問'08/09/10


1995年にオープンした京都市市民防災センターは、市の災害備蓄倉庫と併設された防災体験館。各種の災害体験コーナーと、アミューズメントのSEGAによる「防災バーチャルコーナー」に加えて、事業所・自主防災向けに、店舗・ホテル・マンションを模した「総合訓練コーナー」など、幅広い層に対応できる関西屈指の施設です。

体験ガイドツアーで楽しめるコーナー

1 市民防災センター 外観 2 ロビー吹き抜けから見る館内
京都市市民防災センター 外観 京都市市民防災センター 館内
東寺の南、国道1号線国道十条交差点そばにある、スタイリッシュな外観の施設です ロビーはガラス張り吹き抜けの開放感、各種体験・展示コーナーが機能的に並びます

3 まずは体験ツアーの説明から 4 隣の映像体験コーナーへ
オリエンテーションステージ 映像体験室 入口
オリエンテーションステージで映像とガイドによるツアー概要を聞きます、平日でも大盛況 古来より京都を悩ませた、火災・風水害・地震の歴史、現代の防災体制まで幅広い内容

5 次は地震体験コーナー 6 震度7の揺れと地震対応を体験
地震体験室 外観 地震体験室 内部
朝10時前でも多数グループが行き交う中、地震体験室へ、地震対応の解説を聞きます 台所風2次元起震装置で、東南海・南海地震や阪神淡路大震災等の揺れと対応を体験

7 強風体験コーナー 8 風速32mまでの暴風を体験
強風体験室 外観 強風体験室 内部
一度に6名程入るの小振りな体験室で、保護用ゴーグルをかけて暴風を体験します 秒速30mの暴風では、前のめりで静止できるほど強く、予期せぬ方から突風は危険

9 2階 消火訓練コーナー 10 消火器や屋内消火栓を体験
消火訓練室 外観 各種消火器と屋内消火栓
消火体験コーナーへ、ガラス張りの体験室で、通路からもよく見えます まずは様々な消火器の特徴と使い方の知識、集合住宅で住民が使える消火栓もあり

11 訓練用消火器で消火体験 12 台所火災での消火に挑戦
消火体験コーナー 体験エリア 消火体験コーナー モニター
訓練用の水消火器での放射に加え、屋内消火栓でも実際に体験もできます モニターに映る火災へ放射しますが、当たり判定付きで火元に命中しないと成功しません

13 煙避難体験コーナー    
避難体験室  
高層建物での火災避難を体験、訓練用の煙に加え非常ベルの音もリアルです  




  

体験ガイドツアー以外にも楽しめる自由見学・体験コーナー

2014年に一部施設がリニューアルされており、以下は2008年訪問当時のものです。

1 住宅用火災警報器コーナー 2 セットに設置場所が明示
住宅用火災警報器コーナー 屋内セットに設置位置を明示
設置義務化された住宅用火災警報器と、設置場所に応じた取付方法を、実物で学べます 現在はくらしの安全コーナーとして、応急手当体験スペースも併設されています

3 119番通報訓練コーナー 4 携帯電話が実際に動きます
119番通報体験コーナー 動作する訓練用携帯電話
携帯電話・固定電話・公衆電話による、救急・火災での119番通報を体験できます ここの体験用携帯電話は、操作に応じて動作して、よりリアリティがあります

5 3階 防災バーチャルコーナー 6 消防士体験・防災学習ゲーム
3階 防災バーチャルコーナー 防災ゲームコーナー
SEGA開発の体感型防災ゲームが並ぶ国内随一の施設、現在は一部を別施設に改修 「消防士〜ブレイブファイヤーファイターズ」と4種の防災ミニゲーム(現在は別体験に改修)

7 3D・京都大地震 8 8人乗りライド型シミュレーター
3D京都大地震 ライド型シミュレーター
京都を舞台に、7分間の大地震と避難体験、余震の危険も強調(現在は別体験に改修) 地震の揺れや上昇下降・加減速感を再現し、まるでTDLのスターツアーズ地震版

9 3Dサウンド・土砂災害の恐怖 10 退役した消防ヘリの実機が…
3Dサウンド・土砂災害の恐怖 京都市消防局 消防ヘリ ひえい
山小屋風シアターで、山の天候急変と土砂災害に襲われる!(現在は別体験に改修) 2005年退役の市消防局「ひえい」(ユーロコプター社製ドーファンSA365N1)を展示

11 何と消防ヘリシミュレータに 12 モニタと実機の操縦機器で操作
セガ製作 エア・レスキュー・パイロット 実機を流用した操縦席廻り
消防局航空隊の救助活動をゲームにした「エア・レスキュー・パイロット」になりました 120インチ画面の機外風景、19インチ機内モニタを見ながら、操縦桿・レバー・ペダルで操作

13 選べるミッションは5種類 14 リアルな風景と挙動で大満足
救助活動ミッション 制限時間内ポイント通過式 操縦桿(サイクリック)のみ、(コレクティブ)レバー、(ラダー)ペダル全て使用まで操縦レベルは3段階、ゴールの病院はよく見ると京都市市民防災センター
大文字山の遭難者を吊り上げ救助、病院屋上に着陸する救助ミッションに挑戦 消防・救急・救助・被災状況確認と、航空隊の多岐に渉る仕事ぶりをプレイできます

15 災害活動パノラマ 16 なんでも消防情報館
東京消防庁 消防博物館にも類似コーナーあり なんでも消防情報館
火災発生から消防隊出動・消火までの活動を、映像と動く模型で紹介(現在は撤去済) 京都市の浸水ハザードマップや京都市消防局の情報、火災予防のポイントを学べます


  
  

体験した印象

2014年に一部がリニューアルされており、以下は以前の評価を含みます。

 関西屈指の豊富な内容を持ち、半日はしっかり遊んで学んで帰る事ができる、そんな防災体験館です。アミューズメントのSEGAによる、3D映像とボディソニックでの京都大地震疑似体験や、退役した消防ヘリを使ったフライトシミュレーターなど、異色の防災バーチャルコーナーが、通常の防災体験館と極めて一線を画す当館随一の特徴となっています。なお、店舗・ホテル・共同住宅の模擬施設での災害時の対処を訓練できる、事業所等の団体向け「総合訓練コーナー」といった専門的な施設もあります。一般市民から地域・企業防災関係者まで、幅広く対応する懐の広い施設です。また、災害用伝言ダイヤル171体験コーナーは、全国にまだ少数派です。

 なお、2014年4月のリニューアルで、近年京都でも被害の出た風水害(特に都市型水害)に関する体験コーナーを設ける為、3階の「3D京都大地震」「3Dサウンド・土砂災害の恐怖」「防災学習ゲームコーナー」を撤去、「応急手当体験室」を2階に移転し、全国的にまだ少ない都市型水害体験コーナー、防災行動体験コーナー、キッズ・ファイヤーランドが新設されています。

 反面、ガイドの解説レベルはあまり高くなく、ハード面でのレベルの高さに見合っていない様です。複数スタッフのツアーでの解説を聞いていましたが、話す事は施設利用上の諸注意がほとんどで、防災上のポイントは少量の、マニュアル棒読みな内容ばかり。応用的な質問に対する的確な回答は、あまり頂けませんでした。京都市消防局の施設ですが、ガイドなどの施設運用は外部指定管理者の財団法人に委託している事や、比較的混雑する施設のため、グループを捌く事で忙しいなど、研鑽の余裕がないのかもしれません。ただし、これらは受付やガイドにあたる一般スタッフのみの話です。

 当館は、東京消防庁 本所防災館と並び多数の来場者がある施設で、年間約80万人が訪れています。その割に館内はそれほど広くなく、各体験コーナーも若干小さめなので、平日でも混雑する事がある様です。時期により差はありますが、予約なしで体験ツアーに参加する場合は、想像より余分に時間が掛かる事を予期しておくと良いでしょう。

  
  

京都市市民防災センターの施設情報

 
所在地: 京都市南区西九条菅田町7
URL: http://web.kyoto-inet.or.jp/org/bousai_s/
TEL: 075-662-1849
開館時間: 9:00-17:00
入館料: 無料
休館日: 月曜・第2火曜(祝日は開館)、年末年始
交通アクセス: 近鉄京都線十条駅より徒歩約8分、市バス16,19,42系統「市民防災センター前」下車すぐ
駐車場: 10台

映像シアター あり 消火体験 あり 土砂災害 撤去
119番体験 あり 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 あり 応急手当 あり
津波 台風体験 あり 耐震補強
ガイドツアー 随時開催、なるべく事前予約を(予約なしでも合間に開始)
他にも事前予約で希望時間・内容に応じたコースが可能