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防災体験館 体験レポート

ブロック塀倒壊体験は全国でも稀な、古くからある防災体験館 レポート
山梨県立防災安全センター 訪問'08/3/7
山梨県立防災安全センター ホール内部

山梨県立防災安全センターは、東京都初の北区防災センターよりも早く開館した、全国でもかなり初期からある防災普及啓発施設の1つです。県の消防学校に併設する事もあり、実際の火と消火器を使った消火体験ができたり、一般的な防災体験だけでなく、講義などの防災教育にも対応しています。

山梨県立防災安全センターの様々な防災体験コーナー

以下は2008年訪問当時のものです。現在では幾つかのコーナーがリニューアルされたため、本ページでは古い内容を含んでいます。

1 県消防学校の敷地内にあります 2 県立防災安全センター 外観
山梨県立消防学校 正門からの眺め 山梨県立防災安全センター 外観
中央市の釜無川沿い、山梨県消防学校の正門を入った敷地内にあります 独立した平屋の建物は、県の防災倉庫も兼ねています、入口前に駐車場多数あり

3 センター内部の様子 4 地球の構造と世界の地震
防災安全センター 内部 巨大地球儀
県の防災啓発施設のため展示数は多い、ただし機器や見せ方に古さは否めません 世界の地震地帯と日本、またマントル対流とプレートの関係を模型で示しています

5 視聴覚コーナー 6 自動消防用設備消火システム
視聴覚室 自動消防用設備消火システム 模型
シアター未満ですが、多数の映像類を上映でき、各席のボタンから回答・集計も可能 ビルを例にした模型の動作と音声で、煙の危険性と、防火・消火装置の働きを解説

7 防災Q&A・LPガスの安全 8 木造家屋の耐震建築模型
防災Q&A端末 LPガスの安全 木造家屋の耐震建築模型 昭和モダンなダイニングがツボ
3択式のQ&A端末で防災クイズに挑戦、また災害時のプロパンガスの動作を学べます 木造住宅での耐震工法や、インテリアの防災対策を昭和の家風模型で展示

9 情報伝達システム 10 火災発生から消火まで
情報伝達システム ブース 火災発生から消火まで
長野市防災市民センターと同じく、デマによる情報の不正確さを疑似体験するコーナー 火災出火から鎮火・検分までの、消防活動の流れを、音声と電光パネルで解説します

11 地震の恐怖コーナー 12 ブロック塀倒壊を模擬体験
地震の恐怖コーナー 入口 ブロック塀倒壊を模擬
このコーナーは、地震の揺れではなく、狭い路地裏のブロック塀倒壊の危険を喚起させます センサーに反応して塀が迫るほか、足元や周囲の仕掛けの作動するなど、珍しい内容です

13 地震体験は代理の防災指導車で 14 防災指導車 起震装置
地震体験用 防災指導車 防災指導車 起震装置
本来は館内の3次元起震装置での過去地震体験ですが、臨時で防災指導車で体験 防災指導車でも、直下型の阪神淡路大震災や海溝型の関東大震災など8種類を再現

15 食器類も揺れて実感アップ 16 自主防災資機材の展示
起震室内の食器類 自主防災資機材
起震車・屋内起震装置には珍しく、棚にはプラスチックですが食器もあり、更に実感アップ 自主防災活動の資機材や、家庭の防災用品などを陳列展示しています

17 地震解説ジオラマ2点 18 亀裂断層発生システム
地震の仕組みなどの解説機器 亀裂断層発生システム
地震の仕組みを、動く模型で説明。直下型地震と海溝型地震の2種類があります 直下型地震の仕組み・生じるた断層面・断層露頭部による被害を、音声付きで解説

19 断層変位による地盤災害 20 プレート境界型地震解説モデル
断層変位による露頭部の地盤災害ジオラマ プレート境界型地震解説モデル
断層変位による露頭部での地盤災害を動く模型で展示、全国的には珍しい展示です 海溝型地震を引き起こす仕組みの動く模型、プレート沈み込みと歪みの開放も再現




  

体験した印象

 消防学校併設という事、また糸魚川−静岡構造線断層帯を抱える地域性もあり、基本的には地震と火災対応を焦点にした防災体験館です。当施設のオープンは1982年(昭和57年)。東京都初の北区防災センターよりも早く開館し、長野市防災市民センター尼崎市防災センター等と並び、全国でもかなり初期からある施設でもあります。ブロック塀倒壊模擬体験・断層地震再現ジオラマなど、他になかなか見られない創意工夫のコーナーが多いのも特徴です。お時間に余裕のある方は、「訓練」を含んだコースを予約すると、館内見学・体験コーナーに加えて、屋外で本物の火と消火器を使った消火訓練や、可搬式スモークマシンを使った煙体験、視聴覚室でのビデオ・講義などが各種の体験が可能です。

 当時はかなり先進的かつ画期的だったであろう当施設も、動作不良で動かないものがあったり、老朽化した展示物には昭和のレトロ感が否めません。しかし、2008年の訪問時以降、地震体験が過去の地震を再現できる3次元起震装置に更新されたり、赤外線式消火体験・119番通報体験・災害用伝言ダイヤル171体験・応急手当体験・防災Q&Aコーナーが新設など、内容の充実強化も図られています。

 できれば、施設横を流れる釜無川(富士川)と、そこに注ぐ支流を擁す急峻な山地を抱える山梨県の地域性を考えると、水害や土砂災害に関する展示や体験コーナー、また展示してある自主防災機器を使った共助体験なども、今後は追加して欲しいと希望します。まだ多く残る老朽化したコーナーの場所を転用すれば、スペース的には対応できると思うので、次の更新時に大掛かりな装置でないとしてもあったらいいなと感じます。

 交通アクセスですが、地方では郊外の消防学校に防災体験館も併設する事も多く、当施設も基本的には不便な場所にあります。ただ、中部横断自動車道と新山梨環状道路が開通し、車社会の山梨県であれば、以前より便利に行ける様になりました。鉄道利用の方は、東花輪駅から徒歩30分近く掛かるため、タクシー利用が良いでしょう。

  
  

山梨県立防災安全センターの施設情報

 
所在地: 山梨県中央市今福991 県消防学校内
URL: http://yamanashi-bousai.or.jp/
TEL: 055-273-1048
開館時間: 9:00-17:00
入館料: 無料
休館日: 第2,4日曜・祝日・年末年始
交通アクセス: 中部横断自動車道南アルプスICより新山梨環状道路経由で約7km、JR身延線東花輪駅より徒歩30分
駐車場: あり

映像シアター 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 あり 煙避難体験 あり 火山
地震体験 あり 水害 応急手当 あり
津波 台風体験 耐震補強 あり
ガイドツアー 随時開催(受付へ申し出て下さい)
10名以上の団体は要事前予約