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アイデア調理グッズ体験レポート

アイデア調理グッズ体験レポート:ファイル#04
水を注いで発熱パワー モーリアンヒートパック

今回テストしたのはモーリアンヒートパックという、水で発熱する加熱調理グッズ。「アルミニウムの水酸化反応で100度の発熱を15〜20分維持でき、レトルト食品・缶飲料・缶詰などを加熱調理できる」と公称しています。でも今回は意地悪なことに、真冬の気温0度近くの冷え切った川原という不利な気象条件でどれだけ使えるか試してみます。

1 こんなパッケージです  2 中身は全部でこんな感じ
温まるのを強調するためか赤基調のパッケージ  中身はそうたくさんは入っていない
「水で沸騰パック」のキャッチコピーが目立つ、赤色基調のパッケージ。  中身は説明書・加熱用袋・発熱剤(35g)×2個。小物で2回・大物で1回分の構成。

3 どれだけ入るか試してみます  4 缶ジュース2本がジャストサイズ
大きさの目安としての各サイズ缶
どれくらいの物が入るか目安として3種の缶を用意。左から500ml・410ml・350ml缶。  横幅は缶2本で袋がパンパン。縦は350ml・410ml缶でないと封が閉まりません。

5 350・410ml缶ではこんな感じ  6 500ml缶では1本しか入らず
缶2本でほぼ余裕なし  500ml缶は斜めに1本で精一杯
袋は既にパンパンで、加熱剤を入る以外は他に物が入る余裕はなし。  500ml缶は縦幅が足りず、斜めに1本入れてようやく封が閉まります。


     

テスト1:真冬&無理な条件でレトルト食品を温める

1 発熱剤を取り出します  2 発熱剤を加熱袋に投入
包装は計量カップになるので捨てないこと  加熱剤が温める物より下になるように
細長い使い捨てカイロのような発熱剤。包装袋は計量カップになるので捨てないこと。  先に入れ、温めたい物より下になるようにします。今回は35gのものを1個だけ。発熱剤は他にも50g・60gが市販されています。

3 次に温めたい物を入れます  4 発熱用の水を汲みます
加熱袋一杯に入る分、レトルトパックを詰めてみました  川の水は身を切るような冷たさでした
35g発熱剤1個でレトルト1個分が推奨なのに、今回はレトルト2個で無理な条件でテスト。白飯と親子丼で1食分を狙ってみます。  発熱剤の包装袋が計量カップになっていて、袋内側の目盛り線まで水を汲みます。海水でもOKです。

7 水を注いで発熱開始  8 ボコボコ沸騰し始めます
水を注ぐとすぐに発熱開始  かなり激しく反応します
水を加熱袋に注ぎます。少量の水でもすぐに反応を始め、シューシュー音を出します。すぐに袋のジッパーを閉めましょう。  底の水が溜まっている部分は発熱剤と触れて激しく沸騰しボコボコしています。

7 こんな条件で20分放置  8 真冬の悪条件でも最高85度弱
加熱袋を自立させしばらく放置  蒸気口に温度計を差し込んでみると
加熱袋を自立させしばし放置。食材を温めます。高温部分は水の溜まった底面に集中。  加熱袋上部に蒸気口から温度計を差し込みむと底面は最高でも84度弱。風が吹く真冬の川原の冷たい岩の上ながら健闘です。

7 半液状の親子丼は成功  8 無理しすぎて固形の白飯は失敗
具の他に汁も多く固体ではないせいか、こちらは十分温かくできあがり。レトルトの丼の具・カレー・スープもいけそうかも。  真冬に加え無理な条件のせいか、下1/3しか喫食状態にならず。冬は保温に工夫をし、1パックに加熱剤1つだけの方がいいかも。

実施時期 2003年12月
15:30頃
気象条件 天気:曇/晴
気温:1.3度
風:時々微風
 
テスト条件 レトルトパック2個を、35g発熱剤1個により20分間加熱調理。レトルトの内訳はマルちゃん白米パック・S&Bなっとくの親子丼。共にスーパーにて入手可能。
今回は意図的に条件を悪くしてテストし、袋に入るだけ物を入れて加熱剤は1個だけという、ついやってしまいがちな間違いを条件の悪い真冬にやってみた。本来はレトルト1パックに対し35g発熱剤1個で使用するのがメーカー推奨。
実測結果 親子丼に関しては問題なく喫食可能。白飯パックについては下側1/3のみなんとか喫食できるる状態なものの、残りは加熱前のカチコチ状態のまま。
実  感 発熱剤のある下側に集中した加熱状況ゆえに、固形物に関しては局所的な加熱になりがち。今回はテスト条件を更に悪くしており、メーカー推奨値の1/2の能力しか出ない条件で、しかも真冬の温度が奪われる中で行ったにしてはまずまずの出来だったのでは。メーカー推奨条件の35g発熱剤を2個、もしくは50g・60g発熱剤なら問題ないものと思われる。


     

テスト2:真冬の川原でお湯を沸かしてみる

1 水は必ず缶に入れて加熱  2 正規の条件で20分加熱
缶に水を入れます  新しい発熱剤で再び加熱
ペットボトルは熱で変形するため、缶に水を入れて実験。この缶の内容量は410ml。  メーカー推奨では水400mlに35g発熱剤を1個で、今度は正規の使用法。悪条件は気候のみ。

3 さて取り出した缶の湯温は?  4 缶の外側には反応の名残が
缶を取り出し中の水温を計測  缶の外側の様子
意外にも50度弱。放っておくと、0度台の気温と冷え切った岩に温度が奪われ更に温度低下。タオル等で保温するのが効果的。  水和反応の名残か、缶の外側にはうっすら白い痕。加熱の下部集中ぶりが伺えます。

実施時期 2003年12月
16:00頃
気象条件 天気:曇り
気温:0.8度
風:時々微風
水温 12.4度
自宅から持参
測定条件 410ml缶に入れた水を、35g加熱剤1個により20分間加熱。メーカー推奨値も水400mlにつき35g加熱剤1個なので、こちらは気候のみ悪条件。
実測結果 20分間の加熱後すぐに缶を取り出して水温を測ると49.5度。以後、気温と冷え切った岩に温度が奪われるが、このお湯で非常用カップ味噌汁(後日掲載予定)を作ったところそこそこ適温で頂くことができた。
実  感 0度台に気温も下がった悪条件ではあったが、飲み物を加温する程度までは使用できそうだ。ただしこの様な条件下で、ラーメンなどを作るための温度にするには


     

「モーリアンヒートパック」のデータ・個人的評価

製品名 モーリアンヒートパック
MH-35RW
ネットではこちらで購入できます
基本セット
基本セット
加熱剤の個数で各タイプあります
各種タイプ
製造業者 株式会社タケトモ
購入価格 600円(2002年6月当時)
外形寸法 W16cm
H24cm
H1.5cm
総重量 102g
(本体のみ86g)
内容物 加熱用袋×1
35g加熱剤×2
携帯性 ★★★★☆ 使い易さ ★★★★☆ 火力 ★★☆☆☆
感  想 ここはいい!
本品と少量の水だけで手軽に使用でき、火災等の危険がないのはメリット。最悪の際のバックアップ用調理グッズとしての有用性がありますね。短期登山やトレッキングの際に活用する人もいるようです。

ここはちょっと?
加熱剤が俵型であるため底部だけが局所的に過熱され、調理物全体の加熱が難しい状況は否めない。MREレーションのFRヒーターの様にシート型であると効率良く全体を加熱する事ができそうだが、レトルトパックだけでなく不特定の物の加熱を前提とした本品とは事情が異なるため、単純に参考にするのも難しい。加熱ムラに関しては今後の改良を望みたいところだ。

総評
メインの調理熱源には役不足なものの、バックアップ用・個人携帯用などには役に立つフィールドがあるようです。なお真冬の悪条件下での使用には、保温材を使用した保冷保温バッグやタオル等で保温効果を高めた上で使用するのがベターだと思いますね。

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