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非常食試食レポート

非常食試食レポート:ファイル#19
熱燗機能でミルクを作る 乳児用非常食 愛のミルク

災害によるライフライン断絶で、お湯が沸かせない状況は、赤ちゃんのいるご家庭のにとっては大問題。母乳育児が困難な親御さんにはなお深刻です。この「愛のミルク」は、これ単体で温かいミルクが作ることができるそうですが、いったいどんな感じでしょうか?

1 愛のミルクの外観です 2 中身を広げてみます
ハートのシールがかわいい、縦18センチの円筒形透明ポリ容器に中身があります。 中には加熱機能付きでズシッと重めの缶と、粉ミルク・乳首・洗浄布が入っています。

3 缶側面には説明と写真付き 4 まずは底面の蓋を外します
使い方は写真と説明入りでステップごとに解説してあるので、初めてでも大丈夫。 水を加熱させるため、まず缶を逆さにして底の透明なカバーを外します。

5 缶底を押すと加熱が始まります 6 あっという間に60度以上に加熱
缶底中央を押し込むと、内部の加熱部で石灰と水が混ざって、発熱が始まります。 石灰と水の水和熱で、缶表面でも60℃以上に一気に加熱。缶が持てないほどに。

7 プルトップで缶を開けます 8 粉ミルクは普通の市販品です
10分で加熱が終わるものの、手で持てるようになるまで30分弱。火傷にはご用心。 スティック状の粉ミルクが2本入り。普通の市販品のため必要に応じ差し替えも可。

9 粉ミルクを入れて調乳します 10 付属の乳首は缶ぴったりサイズ
粉ミルクを入れ調乳しますが、缶の水は滅菌水のため安心して与えられます。 かなり柔らかいポリエチレン製の乳首も入っています。缶にぴったりサイズです。

11 乳首を缶にかぶせます 12 洗浄布で消毒して授乳できます
ジャストサイズの乳首のため、缶にかぶせた後は斜めや下にしてもこぼれません。 抵抗力が弱い赤ちゃんなので、乳首を殺菌できるよう洗浄布が付いています。

13 缶内部はこうなってました 14 加熱の仕組みは石灰の水和熱
350ml缶相当なのに、加熱部分のため正味半分程度の空間と、かなり上げ底が。 悪環境でも機能させるためか、水に比べてかなりの量の石灰が入ってます。



     

「愛のミルク」のデータ・個人的評価

製品名 自己完結型乳児用ミルク
愛のミルク
愛のミルク
あまり一般向け流通がないため
製造元にリンクします
製造業者 (株)セックコーポレーション
購入価格 6909円/6本(2005年5月当時)
試食時期 2005年6月
外形寸法 φ95×H175mm 総重量 425g 調理法 不要
石灰・水の反応熱で加熱
内容量 水181ml・粉ミルク26g ミルク総量 200ml分
携帯性 ★★☆☆☆ 自立性 ★★★★★ 使い易さ ★★★☆☆
実効性 ★★★★★ 満足度 ★★★★☆ 保存期間 1年半
感  想 ここはいい!
災害でライフラインが寸断されても、これだけで温かいミルクを作れるのが、最大の特徴です。缶の底を押すだけと簡単なうえ、缶側面に写真入りで使用法が説明され親切です。また付属の粉ミルクは市販品のため、普段お使いのものと入れ替えることもできます。なお缶だけでも販売され、乳首部分は使いまわしができるので、フルセットを食数分買う必要はなさそうです。

ここはちょっと?
石灰と水による強烈な熱反応が起きるため、加熱時には写真のとおり、缶表面でも軽く60℃を超えます。うっかり缶に触ると火傷するので注意しましょう。人肌程度に下がるまでは、30分以上かかるため、与えるまで思った以上に時間がかかります。また捨てる際は、内缶に石灰がかなりの量入っているため、そのまま捨てるのは難しいかも。最大の問題は、主に販売先が団体向けのため、直販以外には見かけない点です。

総評
「熱燗機能付き缶入り日本酒」は、かなり前から存在していますが、これはそのミルク版。缶に入った滅菌水道水を、二重構造になった缶の内側にある、石灰と水の反応熱で加熱。付属の粉ミルクを溶いて付属の乳首をかぶせ、これまた付属の殺菌ウェットティッシュで拭いたら、ほ乳缶としてそのまま使えます。元は横浜市の依頼で開発したのがきっかけで、市内の防災倉庫に備蓄されています。乳幼児の食事と排泄は時と場所を選ばないうえ、公的援助は全国的に未整備が大半なので、各家庭でしっかり備えを考えたいものです。1年半の賞味期限は一見短いですが、それだけあれば乳離れするため、家庭の赤ちゃん用非常食なら問題にはならないでしょう。

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