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防災イベント体験レポート

大規模公共施設での、観客避難誘導訓練を兼ねた無料コンサート   レポート
避難訓練付き無料コンサート   初出'06/11/29

無料イベントと防災体験なら、一石二鳥で歓迎という一般市民の方々。緊急時対応訓練をしたいが、なかなかできない施設関係者の方々。それに、発表の場を求める人を加えて融合させた1つの形。それが、今回紹介する避難訓練付き無料コンサートです。

普通の防災訓練と違って、外出先での緊急時・災害時にどう行動するかを体験する、いい機会になるこのイベント。果たしてどんな内容だったでしょうか?さっそく見てみましょう。

1 会場は地方都市の市民ホール 2 避難訓練&コンサートの看板が
中伊豆は伊豆の国市、伊豆長岡温泉にある市民文化会館「アクシスかつらぎ」が、今回の避難訓練付きコンサートの会場です。 コンサートは、地元に全寮制専門学校を持つ、日本ギター専門学校「新堀ギターオーケストラ」によるギターアンサンブル。

3 まずはコンサートの上演開始 4 ステージ奥から異変が・・・
コンサート中に災害が発生したという想定で、地元ミュージシャンを招いての無料コンサートが始まります。 コンサートが始まって3曲目の途中で、模擬火災が発生。照明でステージ袖に赤々と炎があがり、徐々に燃え盛ってゆきます。

5 火災拡大のため避難開始 6 会館スタッフの誘導で避難
会館スタッフが割って入り、現在の状況と避難指示を出しました。300人ほどの観客の避難が始まります。 会場各所の避難出口に会館スタッフが登場。指揮連絡・手順確認が主目的か、緊迫感のない雰囲気ながら観客を誘導します。

7 会館各所から整然と避難 8 避難の列は会館の外へ
観客は事前にどう避難するか打ち合わていないため、複数の避難口のどこから出るかで少々の混乱はありつつも、整然と避難します。 避難の列は場外広場へ。階段や石段などの場所で、ご年輩の方が少々難儀しました。こういった場合、どう顧みるか今後の課題です。

9 観客の避難誘導も無事終了 10 防災体験は更に続くようです
ともあれ、会館前広場に観客全員の避難が無事完了しました。 ここで終わりと思ったら、この後別室で何やら続きがあるとのこと。この模様を取材に来た、県内テレビ局数社のカメラも見えます。

11 続いて別室で応急手当講習 12 救急隊員がレクチャーします
再び会館に入り、別のホールに移動します。今度は、いざという時の応急手当・救命処置の講習が始まりました。 まずは現役の救急救命士による講話。普段の生活や災害時に、一般市民による救命処置がなぜ大切か、市内の実状を交えて話します。

13 AEDを使った心肺蘇生の実演 14 心肺蘇生法ビデオ見学で終了
今度は、心肺蘇生法の実演展示。近年各所に設置が進むAED(自動体外式除細動器)を併用し、心肺停止した人の救命処置を解説。 実演で見た救命処置の詳しい方法を、ビデオで見学。応急手当講習は1時間ほどで、避難訓練以上にしっかり時間を取ったものでした。

15 ホールに戻って市長の挨拶 16 そしてコンサート再開です
応急手当講習も終わり、大ホールに戻ると、市長が挨拶。こうした取り組みは今回で2回目とのことで、これからも改良しつつ続けるそうです。 防災体験も無事に終わり、いよいよコンサートの続きです。コンサート開演・防災体験・コンサート終演まで、3時間半程になりました。


     

会館スタッフ・楽しみたい市民・発表の場を求める人の3者融合

 不特定多数の人が入るホール・会館などでは、緊急時の避難誘導訓練を行いたくても、なかなか行う事ができません。そこで、今回紹介するひとつの形が、避難訓練付き無料コンサートです。

 伊豆の国市での「避難訓練付きコンサート」は今回で2回目。第1回目は1週間前に、市内の別のホールでピアノソロ、第2回目の今回は会場を移してギターオーケストラ、共に地元ミュージシャンを招いての無料コンサートという形で行われました。コンサート中に災害が発生したという想定で、公共ホールにおけるイベントでの避難誘導を適切に行えるのか検証するのが趣旨だそうです。

 全体の感想としては、普段はなかなかできない、プログラムを中断して行う防災訓練に加え、応急救護まで加えてしまう内容豊富なイベントでした。訓練したい会場側・イベントを楽しみたい人に、無料でも発表の場を求める地元の人というニーズを加えて、この3つを融合させた事によって、この様な形でそれぞれのニーズを実現させたという点が新発想だと思います。

 自治体の方々にとっては、コンサートだけでなく、市民演劇や文化芸術発表会など、いろいろな方法に応用できるうえ、年1回など恒例化できるのではないでしょうか?また、わたしたち市民側にとっても、こうしたイベントは、無料であるうえ一石二鳥、加えてワンパターンではなく毎回変わる内容なので、ちょっと半日出掛けて楽しんでみたくなると思います。