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防災のポイント・提言集

災害予知は有用でもまだまだ研究段階、鵜呑みにすると思わぬデメリットも ポイント
予知だけに頼らない防災意識を持とう  

 天気予報のように、災害も予報してくれたら・・・。確かに、そうなれば非常に役立つうえに安心です。災害の前兆現象つかむ災害予知の取り組みは、国家機関から民間研究組織、果ては個人まで様々なレベルで行われていますが、信頼できるのでしょうか?現状はどんなもので、どう取り入れてゆけば良いのでしょうか?

災害予知って、どんなもの?−主な概略

 災害予知には主に以下の分野で、国から個人まで様々な取り組みがなされています。各手法の詳細はそれぞれに譲るとして、主な災害予知研究の概要と、取り組んでいる関係機関の幾つかを、敢えて信頼性・信憑性に関する見解を述べずに紹介します。

地殻変動観測による地震予知
国の中央防災会議は、直前予知の可能性があるのは東海地震のみとする。更に近年、予知より減災に方針がシフトしつつあり

地震予知連絡会   気象庁   国土地理院
東大 地震研究所
京大 防災研究所 地震予知研究センター
東北大 地震・噴火予知研究観測センター
名古屋大 地震火山・防災研究センター
(独)防災科学技術研究所 など
地震・地殻変動観測による火山噴火予知
こちらも既に実用化段階。これらの観測結果を元に、臨時火山情報や緊急火山情報などが出され、成果を発揮しています

火山噴火予知連絡会
気象庁 気象研究所
東大 地震研究所
東北大 地震・噴火予知研究観測センター
名古屋大 地震火山・防災研究センター
(独)防災科学技術研究所 など

電磁気・電波観測による地震予知研究
地殻破壊で生じるとされる電磁気を、電波観測によって捉える地震予知研究

東大 地震研究所
東海大 地震予知研究センター
電気通信大 電子工学科 早川研究室
八ヶ岳南麓天文台(アマチュア)
千葉県立行徳高校 自然科学部
NPO法人 国際地震予知研究会
環境防災研究会(個人)
トチローの地震と電磁波教室(個人) など
宏観異常現象観察による地震予知研究
災害時に起こるとされる、動植物や気象などの異常現象の「観察」による地震予知研究

東海大 地震予知研究センター
大阪大 大学院理学研究科 池谷研究室
静岡県地震防災センター
日本地震雲研究会(個人有志)
東海アマチュア無線地震予知研究会(個人)
地震発生量の信号機(個人) など

電磁気・地下水・大気イオン観測も、広義には宏観異常現象に入りますが、観測機器により定量的に計測できる分野のため、独立した分野として扱われています。対して、宏観異常現象は「地震の前にナマズが暴れる」「地震雲が現れる」といった、人による主観的な観察に基づくものを主としています。

昔からの経験則に基づいた生活の知恵である一方、現象報告の不正確さをはじめとした課題の多さから異論も多いのが現実。そのため、科学的な解明や検証がなされている最中です。最も玉石混淆の分野でしょう。
 
大気イオン観測による地震予知研究
地殻破壊で大気に放出された、ラドン・鉛などイオン濃度測定による地震予知研究

NPO法人 大気イオン地震予測研究会
岐阜大 総合情報メディアセンター 田阪教授
神奈川工科大学 矢田研究室 など

地下水観測による地震予知研究
地殻破壊で生じるとされる、地下水位変動・成分変化を観測して捉える地震予知研究

鳥取大・京大 温泉観測ネットワーク
岐阜大 総合情報メディアセンター 田阪教授
(独)産業技術総合研究所 など

 なお、2007年秋より一般提供が始まった「緊急地震速報」は、遠くで既に起きた地震を検知して知らせるシステムなので、厳密に言うと地震予知ではなく地震検知警報システムに含まれます。詳しくは 防災のポイント・提言集:災害情報はどう入手できる?−テレビ・ラジオ編 で解説しています。



  

災害予知の現実と限界、過信することのデメリット

 災害予知は実現できれば減災には有用です。しかし、現状やそもそもの役割を考えると、万能とは言えそうにありません。
  • 災害予知のほとんどの分野は、まだ実用化以前の研究段階
  • 予知できても、観測網が整った局所的な地震・火山災害にのみ限られる
  • あくまで予知で、災害自体は止められず、やはり個々の防災対策は不可欠
また、災害予知に依存し過ぎると、防災への見方が両極端になるデメリットもあります。

デメリット1 健全な防災意識・自助意識が育たない
 予期せぬ事態にできるだけ被害を少なくするのが、危機管理というもの。ところが災害予知を盲進したり、自助努力をしない口実にすり替えるなら、健全な防災意識・自助意識は育ちません。結局、自分を危険に晒す事になるでしょう。

他人任せではなく自助努力を  「予知があるから備えはいらない」「その場だけうまくやりおおせれば良い」「当たらなかった、どうしてくれる!」と考える、他人任せでその場限りの防災意識は、危機管理としてはマイナス以外の何物でもないでしょう。
デメリット2 生活バランスを崩し、精神衛生に悪影響
 災害を恐れるあまり、有り得ない完璧さを求め、生兵法で極端に突っ走る人も見受けられます。特に重症化すると、美しい雲や夕焼けなどの季節の彩りさえ、災害の前触れと考え一喜一憂。常軌を逸した妄想的な生活へ陥るだけに注意したいものです。

バランスにはご用心  普通の市民にとって家庭の危機管理は、主従でいえば明らかに従。竹内まりや宜しく「毎日がスペシャル」ならぬ「毎日が非常事態」で、生活に支障が出ては本末転倒です。ゆめゆめバランス感覚を失わないようご注意を。