市民防災ラボ

  
HOME > 防災のポイント > 発災・避難時の対処 > 安否確認の種類と方法
発災〜避難時の対処

安否確認メディアも多様化した今、お互い行き違わないために   ポイント
被災後の安否確認、その種類と方法   追補'08/1/31

 親は共働きで子供は塾や習い事。遠距離通勤に加えて夜勤や交代勤務など、複雑なライフスタイルと広い行動半径を持つ現代家族は、ひとたび災害になると安否確認は容易ではありません。過去の災害では実際どれくらい通話が混雑し、そんな時活用できる安否確認サービスにはにどんなものがあるのでしょうか。

災害時は通信網がパンクする輻輳(ふくそう)状態に

災害が起きると一斉に通話が集中しパンクする輻輳状態になります  災害が起きると、全国から被災地へ通話が殺到します。また、被災地内からも一斉に通話をしようとします。そのため、交換機の処理能力を越えて通話がパンクする(輻輳・ふくそう)状態に陥ります。

 輻輳状態が続くと、重要通信にも支障が出たり、大規模なシステム障害にも繋がるため、被災地外からの着信や被災地からの発信を制限する、通話規制を行わざるを得なくなります。通話規制が掛かると、聞き覚えのある以下の様なメッセージが流れます。

mp3  参考: 平成19年新潟県中越沖地震での通話輻輳時に流れたアナウンス(mp3形式、68KB)
 −新潟県内の親族宅へ実際に電話した際に録音

過去の混雑状況例:平成19年新潟県中越沖地震の場合

 近年の事例として、2007年夏の新潟県中越沖地震での、通信事業会社の規制状況を表にして紹介します。最大で約90%近くの規制という事は、10回中9回は遮断せざるを得ないほど、膨大な通話が殺到した事になります。なお、E-mailやWebなどのパケット通信は、規制されていなくても、経路上のネットワーク障害で遅延などが出るようです。

通信事業者 着信規制
(全国から被災地)
発信規制
(被災地から発信)
パケット規制 のべ規制時間
NTT東日本 87.0% 87.0% 3時間22分
NTTドコモ 50.0% 87.5% なし 12時間33分
au なし 90.0% なし 11時間40分
Softbank なし なし なし
数値はどれも最大値、出典:各通信事業者・総務省消防庁・内閣府防災担当リリース

 災害発生時、通話規制で安否がわからないのは非常に心配です。とはいっても、闇雲に電話を掛けまくるのは、より混雑に荷担してしまううえ、結局繋がらずストレスが増すだけなのでおすすめしません。そんな時に活用できる安否確認サービスにはどんなものがあるのでしょうか。簡単ながら以下に解説してみましょう。

     

NTT東日本・西日本の 災害用伝言ダイヤル 171

Link NTT東日本 災害用伝言ダイヤル(171)
Link NTT西日本 災害用伝言ダイヤル インターネット情報

災害用伝言ダイヤル171のイメージ  大規模災害・広域災害時に臨時開設され、より確実に通話できる地域で、音声での伝言を預かる安否情報サービスです。1998年の栃木・福島豪雨で初運用されて以来、2007年末時点で通算28回運用され、のべ約122万件の利用がありました。

 171とダイヤルするだけで、被災地以外で通話が混雑しない地域の伝言ダイヤルセンターに繋がり、メッセージの録音・再生ができます。いざという時は、171で連絡を取り合うよう伝えていれば、被災者・関係者双方とも、掛かりにくい通話を何度もせず安否連絡ができます。

ひとこと: 災害用伝言ダイヤル171は、1986年から始まった「伝言ダイヤルサービス」のボイスメールシステムから発展して作られています。携帯電話がなかった当時、外出先での待ち合わせ連絡に重宝して、80年代に若者だった人には懐かしいメディアでもありました。今の伝言ダイヤル=「出逢い系」一辺倒な現実は、少々複雑な気分。

使い方:171にダイヤルしたら音声案内に従えばOK

使い方は至って簡単。171にダイヤルしたら、あとは音声案内に従えばOK。
ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号を入力して録音
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号を入力して再生

    mp3  参考: 実際の災害用伝言ダイヤル171の録音例(mp3形式、348KB)
    mp3    実際の災害用伝言ダイヤル171の再生例(mp3形式、348KB)
      (平成19年台風4号で本稼働した時のもの、一部編集・短縮しています)

    開設基準 震度6弱以上の地震発生時、他の災害でも回線混雑(輻輳)発生時
    登録可能件数 1〜10伝言まで状況に応じ設定
    登録内容 1伝言当たり30秒以内の音声
    保存期間 48時間後自動消去 対応言語 日本語
    その他 提供エリアは市外局番ごとに区分
    第3者に聞かれないよう、暗証番号を設定した伝言の録音・再生が可能
    体験利用日 毎月1日、正月三が日、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)


  •      

    NTT東日本・西日本の 災害用ブロードバンド伝言板 Web171

    Link NTT東日本 災害用ブロードバンド伝言板(web171)
    Link NTT西日本 災害用ブロードバンド伝言板(web171)

    災害用ブロードバンド伝言板web171 トップ画面  大規模災害・広域災害時に臨時開設され、ネット接続可能な携帯電話やパソコンから、キスト形式(文字)での伝言に加えて、写真・音声・映像データを預かる安否情報サービスです。

     2005年8月より試行運用が始まり、2005年台風14号で実戦運用されて以来、2007年末時点で通算6回運用され、約7300件の利用がありました。

    使い方:https://www.web171.jp/ にアクセスして案内に従い登録・閲覧

     災害用伝言ダイヤル171と同じく、安否を確認したい人の電話番号をキーとして、安否情報の登録・閲覧を行います。ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号を入力して登録
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号を入力して閲覧
  • 文字以外に添付できるのは、写真・音声・映像ファイルのうち1つのみ
  • 携帯電話ではテキストのみしか登録・閲覧できません

    開設基準 災害用伝言ダイヤル171の開設基準に準じる
    登録可能件数 新規登録1件+追加登録1〜9件状況に応じ設定/電話番号
    登録内容 全角100文字までのテキスト、jpg/jpg形式画像ファイル(1MBまで)、wav形式音声ファイル(1MBまで)、wmv/avi形式動画ファイル(10MB未満)
    伝言の登録 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム 伝言の閲覧 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム
    保存期間 48時間まで 対応言語 日本語
    その他 第3者に見られないようパスワード設定も可能
    体験利用日 毎月1日、正月三が日、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)


  •      

    携帯電話各社の 災害用伝言板サービス

    iモード災害用伝言板 2006年7月梅雨前線豪雨による実稼働時の告知画面  音声回線より輻輳しにくいパケット通信を使った、安否情報の登録・検索ができるサービスです。中には、事前に登録しておいたメールアドレス宛に、登録した安否情報を送信してくれる会社もあります。

     災害用伝言ダイヤル171などと同様、利用方法に慣れるための体験利用日が毎月あるので一度体験すると良いでしょう。

     自分が持っている携帯会社の伝言板だけでなく、家族や親族はじめ、安否を知りたい人が持つ携帯会社の災害用伝言板アドレスも、ブックマークをお忘れなく


    DoCoMo iモード災害用伝言板サービス

    ドコモiモード災害用伝言板サービス QRコード
    Link NTTドコモ iモード災害用伝言板  ドコモ iモード  (安否検索は パソコン au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム でも可能)
    Link NTTドコモ iモード災害用伝言板サービスのご案内  パソコン

    2007年7月台風4号での実稼働画面  大規模災害・広域災害時に臨時開設され、NTTドコモの携帯電話利用者からの伝言をテキスト形式(文字)で預かる安否情報サービスです。

     2004年1月17日に運用が始まり、2004年7月の新潟・福島豪雨と福井豪雨 (期間が近接するため連続提供) で本格運用して以来、2007年末の時点で通算17回運用され、約60万件の利用がありました。

    使い方は http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi にアクセスしたら、案内に従えばOK。
    ドコモの携帯電話では「iMenu」からでもアクセスできます。
    ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号で伝言登録
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号で伝言検索

    開設基準 震度6弱以上の地震などの大規模災害)
    登録可能件数 10件/電話番号、超過分は古いものから上書き削除
    登録内容 「無事です」など4種類の既定コメント、全角100文字までの自由コメント
    伝言の登録 ドコモ iモード (iモード経由) 伝言の閲覧 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム
    保存期間 伝言板終了まで 対応言語 日本語、英語
    その他 事前登録した最大5件のアドレス宛にお知らせメールを送信可能
    (ファミリー割引グループは既に登録済のため事前登録不要)
    体験利用日 毎月1日、正月三が日、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)


    au災害用伝言板サービス

    au 災害用伝言板サービス QRコード
    Link KDDI au災害用伝言板  au EZweb  (安否検索は パソコン ドコモ iモード ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム でも可能)
    Link KDDI auをお使いの皆さまへ 災害用伝言板サービス  パソコン

     大規模災害・広域災害時に臨時開設され、auの携帯電話利用者からの伝言をテキスト形式(文字)で預かる安否情報サービスです。(TU-KAは2008年3月末で終了)
     2005年1月31日に運用が始まり、2005年3月の福岡県西方沖地震で本格運用して以来、2007年末の時点で通算12回運用されました。

    使い方は http://dengon.ezweb.ne.jp/ にアクセスしたら、案内に従えばOK。
    auの携帯電話からは「トップメニュー」からでもアクセスできます。
    ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号で伝言登録
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号で伝言検索

    開設基準 震度6弱以上の地震などの大規模災害
    (ただし上記基準未満でも運用された実績あり
    登録可能件数 10件/電話番号、超過分は古いものから上書き削除
    登録内容 「無事です」など5種類の既定コメント、全角100文字までの自由コメント
    伝言の登録 au EZweb 伝言の閲覧 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム
    保存期間 最大72時間 対応言語 日本語、英語
    その他 事前登録した最大5件のアドレス宛に安否お知らせメールを送信可能
    また伝言板トップページで災害情報をリアルタイム配信
    体験利用日 毎月1日、正月三が日、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)


    Softbank災害用伝言板サービス

    ソフトバンク 災害用伝言板サービス QRコード
    Link Softbank 災害用伝言板  ソフトバンク ヤフーケータイ  (安否検索は パソコン ドコモ iモード au EZweb ウィルコム でも可能)
    Link Softbank 災害用伝言板サービスのご案内  パソコン

    2007年能登半島沖地震での実稼働画面  大規模災害・広域災害時に臨時開設され、Softbankの携帯電話利用者からの伝言をテキスト形式(文字)で預かる安否情報サービスです。

     2005年4月27日に運用が始まり、2005年8月の宮城県沖の地震で本格運用して以来、2007年末の時点で通算11回運用されました。

    使い方は http://dengon.softbank.ne.jp/ にアクセスしたら、案内に従えばOK。
    Softbankの携帯電話からは「Yahoo!ケータイ」からでもアクセスできます。
    ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号で伝言登録
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号で伝言検索

    開設基準 震度6弱以上の地震などの大規模災害
    登録可能件数 10件/電話番号、超過分は古いものから上書き削除
    登録内容 「無事です」など4種類の既定コメント、全角100文字までの自由コメント
    伝言の登録 ソフトバンク ヤフーケータイ 伝言の閲覧 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム
    保存期間 伝言板終了まで 対応言語 日本語、英語
    その他 事前登録した最大3件のアドレス宛に自動Eメール送信が可能
    体験利用日 毎月1日(元日を除く)、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)



    WILLCOM災害用伝言板サービス

    ウィルコム 災害用伝言板サービス QRコード
    Link WILLCOM 災害用伝言板  ウィルコム
    Link WILLCOM 災害用伝言板  パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ
    Link WILLCOM 災害用伝言板サービスのご案内  パソコン

     大規模災害・広域災害時に臨時開設され、WILLCOMの携帯電話利用者からの伝言をテキスト形式(文字)で預かる安否情報サービスです。2006年5月17日に運用が始まり、「平成18年7月豪雨」で本格運用して以来、2007年末の時点で通算7回運用されました。

    WILLCOMの携帯電話からは http://dengon.clubh.ne.jp/、「CLUB AIR-EDGE」「H"LINK」からアクセス。それ以外からは、http://dengon.willcom-inc.com/dengon/Top.do にアクセスして、案内に従えばOK。ポイントとしてこの点だけ憶えておけば大丈夫です。
  • 被災地にいる人は、自分の電話番号で伝言登録
  • 被災地以外の人は、安否を知りたい相手の電話番号で伝言検索

    開設基準 震度6弱以上の地震などの大規模災害
    登録可能件数 10件/電話番号、超過分は古いものから上書き削除
    登録内容 「無事です」など5種類の既定コメント、全角100文字までの自由コメント
    伝言の登録 ウィルコム 伝言の閲覧 パソコン ドコモ iモード au EZweb ソフトバンク ヤフーケータイ ウィルコム
    保存期間 伝言板終了まで 対応言語 日本語、英語
    その他 事前登録した最大10件のアドレス宛にお知らせメールを送信可能
    お知らせメール受信者からの返信登録可能(全角100文字・5件まで)
    体験利用日 毎月1日、防災とボランティア週間(1/17を含む1週間)
    防災週間(9/1を含む1週間)


  •      

    その他の安否連絡手段

    NHK安否情報放送

    Link NHKテレビ番組の50年 「阪神・淡路大震災での安否情報
    Link NHK経営情報 「新潟県中越地震での安否情報放送の取り組みについて

    NHK安否情報 放映画面  主にNHKの教育テレビとFM放送で、視聴者から受け付けた安否情報を放送するのがNHKの安否情報です。大規模災害の際にのみ臨時開設され、平時は利用方法等の案内もされていません。

     1959年伊勢湾台風の際に、ラジオ放送で試験的に行われたのをきっかけに、1964年新潟地震での「尋ね人放送」以来行われています。2004年新潟県中越地震の際にはインターネット対応もなされ、ネット経由での安否情報の受付・放映済の安否情報検索が可能になりました。しかし、

    • 絶えず情報が放映されているため、常時視聴しなければならない
    • 大半が被災地外からの連絡で、肝心の被災地からの安否連絡はわずか
      (1995年阪神大震災で被災地からは全体の3%)
    • 広く第3者にも見られるため、個人情報の取扱いや悪用に懸念がある
    • 芸能人や漫画のキャラを騙ったいたずら・ネタ情報が相次ぐ
    という問題もあり、今後のあり方が検討されています。他の安否情報メディアが発達して、今では目立たない存在ですが、念頭には置いた方がよいでしょう。


    ニッポン放送 学校安否情報・お勤め先安否情報

    Link ニッポン放送 防災システム

     関東広域圏を可聴エリアとするラジオ局、ニッポン放送(1242KHz)による災害特別放送です。提携先の、都心部オフィスビルと東京・神奈川・千葉の国立・私立学校に通う、従業員・生徒の安否を知らせます。

     東京地方で大規模災害が起き、ニッポン放送に災害特別法総本部が設置されると放送が行われます。なお、視聴者からの安否問い合わせには対応しないため、一方向的な安否情報放送と言えるでしょう。

    • 基本的に1時間に1回、安否情報を放送します。
    • 安否情報はビル・学校単位で放送されます。
    • 学校安否情報は、提携先のブロック毎に決まった幹事校から、災害時優先電話で送られてきた情報が放送されます。
    • お勤め先安否情報は、提携先のビル管理者から、有楽町・新宿の2箇所にある放送拠点に持参された情報が放送されます。

         

    ポイント:どの方法で安否連絡をするか決めて、連絡しておこう

     数年前と違って、今では安否連絡メディアも複数存在するようになりました。そのため、多様化した中でどのメディアを用いて安否連絡を行うか、前もって合意しておく事が肝心です。さもないと、お互いすれ違いばかりで、なかなか連絡が付かず心配が増すばかりでしょう。

     私自身も、2004年の新潟県中越地震で、被災地にいる親族と連絡が取れないので何とかしてくれと、親に頼まれた事がありました。いざという時どこを安否連絡に用いるか、決めていなかったため、手当たり次第に探さざるを得ず非常に面倒だったのを憶えています。

    平時に以下の事を決めておきましょう

    • まずは家族間で安否確認方法を決めておきましょう。
    • 親類へは、主な親族と事前に合意しておき、他の親族へ伝えてもらいましょう。
      (混乱を防ぐだけでなく、被災地への通話集中を減らすためでもあります)
    • 職場・学校には電話番号の他に、利用する安否情報メディアも伝えましょう。
    • 合意事項を紙に書き出し、非常持出袋と二次持出品の両方に入れましょう。