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防災対策はじめの一歩

我が家に合った防災を考えるための、2つのポイント二番目   提言
我が家仕様の防災は、家庭環境で十人十色   改訂'10/5/14

 わが家に合った防災対策を見極めるための原則として、市民防災ラボでは「地域環境と家庭環境を振り返る」事を提言しています。本ページでは、後者の「家庭環境を振り返る」ための方法を解説します。同じ地域に暮らしても、家庭環境は異なれば災害時のニーズも様々。それで、防災対策を始める前に、(1)家族構成と(2)家族のライフスタイルの2つの観点から、わが家が特に必要とする分野を見極める事が大切です。

本ページの内容は、防災講演・ラジオ番組・著書で話す内容を元にしています
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家庭環境で十人十色 − 1.家族構成

1.家族形態による制約

 家族形態は十人十色、それぞれ利点と欠点が異なります。以下に数例挙げますが、ご自身の家族構成を振り返り、備えがないと困る分野や深刻度を明確にしておきましょう。

独身男性
単身世帯
 夫婦二人暮らし
夫婦二人暮らし世帯
 子育て家族
子育て世帯
地域や自治体との繋がりが薄いため、支援を受けにくく孤立しやすいが、行動・体力・生活面での身軽さは有利でもある  特に共働きの場合を含め安否連絡など家族の決め事が必要、また地震保険など、経済的損失への備えも肝要です  乳幼児は公的支援が少なく備えを多めに。年齢が高い場合は、行動範囲が広く安否確認は大変だが各人は自立している
 
年配者夫婦
高齢世帯・高齢者同居世帯
 高齢単身世帯
高齢単身世帯
  
一般向けの公的支援では賄いにくい、持病や年齢による必要に合わせた、食事・衛生用品や持病薬の備えを  親族が近くにおらず地域社会はじめ外部との接触が少ないと、安否確認で騒動になったり、援助を受けるのが困難に   


     

2.災害時に特に制約が生じやすい家族−災害時要援護者の有無

 公的備蓄や支援は、まずは多数派の一般健常者向けから始まるもの。しかし、筆者自身もそうですが、家族の中には災害時に特に制約が生じやすい事情を抱える方もいます。比較的少数かつ個別ニーズが多様なため、公助で対応しきれない「災害時要援護者」に該当する方は、公助に限界がある事を見越して自衛策を講じる事が必要でしょう。

対 象 災害時に抱える制約 (概要、詳細は別ページで解説予定)
乳幼児 粉ミルク・紙おむつ等を備蓄する自治体も増えつつありますが、数量の少なさに加え、市区町村内の数ヶ所程度に集中備蓄する所も多いため、一般市民用備蓄食ほど手近にはないのが現状です。移動しにくい制約下での受取方法や、調乳器具や熱源確保も課題となります。
年配者 年配者には食べにくい乾パンやクラッカー等を主に備蓄する自治体もまだ根強いため、地域防災計画から地元事情を知って備えましょう。また、成人用紙おむつについても、上記乳幼児と似た事情にあります。
外国語を母語とする人 言語や民族ベースの社会に生きるため、地域社会との接点が薄く、被災時のサポートや被災生活での情報把握が困難。地元自治体からの母国語による防災情報や支援も、取り組みはあっても使い物にならない地域も多くあります。
要介護者 避難に時間が掛かったり、避難や一般の収容避難所生活そのものが困難な場合も。また被災生活で介護に付きっきりとなるため、被災生活の諸処や被害復旧が一向に進まず、介助者の負担は極大に。
持病を持たれる方 定期的な投薬や診療が、もはやライフラインとなっている場合、災害による診療体制や薬剤供給の混乱は、直ちに深刻な問題を招きます。日頃からの危機意識も高い透析患者などよりも、心臓病や高血圧はじめ投薬により比較的通常生活を営める方々の方が問題です。
難病・内部障害者 難病や外科的でない重い持病ゆえに、災害による診療体制や薬剤供給の混乱は、直ちに深刻な問題を招きます。また外面からは一見深刻に見えない事での様々な誤解に備え、自分の状態を理解して貰うための準備も必要です。
在宅医療機器使用者 酸素濃縮機や人工呼吸器などの大型機器から、吸引器などの小型機器まで、ライフライン寸断によって命に関わる緊急事態に陥ります。動力源の確保はもちろん、故障時のサポートや定期交換品の供給を、機器リース・販売会社とどう折り合いを付けるかも課題となります。
身体・精神障害者 食糧・給水・給付などの被災者支援に関わる生活情報の入手や、支援物資の受取・運搬で困る場面が多くあります。また、福祉対応避難所でなく一般収容避難所に入らざるを得ない場合、指針はあるものの慣れない一般住民で対応するため、細々としたトラブルに直面しがちです。
アレルギー患者 備蓄・支援食糧があっても、食物アレルギーによって、重度の場合は致命的なショック症状に陥るため、十分もしくは全く恩恵を受けられません。アトピー性皮膚炎患者は、服を着るだけの接触刺激でも肌を悪くするため、避難所生活自体ができません。
ペット・家畜 ペットは、受入可能な避難所もあれば一律不可な所もあります。また、受入可能でも保管場所の提供程度で、世話は飼主責任です。特殊な管理や飼育を要する多くの動物や、家畜を含む大型動物は対象外で、公共の動物保護センターや獣医師会での一時預かりも、被災中期以降の話です。ペットのために在宅被災生活をする覚悟も必要でしょう。


     

家庭環境で十人十色 − 2.家族のライフスタイル

1.家族の生活パターンによる制約

 ライフスタイルも多様化している現代社会では、家族構成に加えて様々な生活パターンを持つようになりました。それらによっても、各家庭に合った防災対策は異なります。そうした中で、災害で特に課題に直面しやすい生活パターンもあります。

通勤先で被災する人
遠距離通勤・通学者
 怯える子供達
共働き家庭
 避難する家族の安否を尋ねる父
単身赴任家庭
被災後は安否確認も困難で、自宅までの長距離徒歩帰宅で当日中には帰宅不能な場合も  保護者不在時間が長く、その間に災害が起きた時の対応や安否確認を徹底する必要あり  共働き家庭の問題が更に長期化すると共に、男手不在時の救出・給水・復旧作業が課題


     

2.社会的責務による制約

 災害時には、家族より職務を優先せねばならない社会的責務を負われている方々もいます。その様な方は、家族を置き去りにしても後顧の憂い無く職務を全うできるよう、備えや役割分担を事前にしっかりしておく必要があるでしょう。

自主防災組織による救出
地域防災担当者
 災害後も残って作業する人
事業継続要員
 BS31_02 BS44_16
事業を営む方
自主防災組織や消防団、民生委員など、災害時は真っ先に出掛けなければなりません  災害時でも企業活動を継続するため、職場に居残る・参集する必要があります  災害時に頼られる業種の商店・事業主は、一日も早い営業再開を期待されます
 
避難を呼び掛ける職員
消防・防災関連職員
 ガス修理
ライフライン関連従業員
 応急救護所と医師
医療関係者
ご自身は災害時真っ先に参集しますが、長期間残されるご家族のために備えはしっかりと  こちらも被災初期から出動し、比較的長期の留守となるため、家族への備えはしっかりと  入通院患者対応に加え、災害時は医療救護所へ詰めて対応する取り決めがある場合も


     

我が家の家庭環境をまとめて振り返ってみよう

わが家の家族環境チェック表   家庭環境によって、必要な対策は十人十色異なります。わが家に合った備えが確実にできるよう、防災対策を始める・見直す前にチェックしておきましょう。

 その一助として、市民防災ラボでは「わが家の家族環境チェック表」を2種類ご用意しました。
PDF 印刷したら手書きで清書するPDF形式
Excel パソコンで清書するためのExcel形式

 こうしたものを参考に調べた情報をまとめ、我が家で特に備える点は何かを検討した後に実際の防災対策に移るなら、より実際的な対策ができるでしょう。

我が家仕様の防災は、家庭環境で十人十色

  • 防災対策は、家族構成やライフスタイルなどの家族環境によって異なる
  • 家族構成を振り返り、災害時に特に困る制約を把握する
  • 家族構成には、家族形態や災害時要援護者の有無がある
  • 家族のライフスタイルを振り返り、災害時の基本方針を決める
  • 災害時に影響するライフスタイルには、生活パターンと社会的責務がある
  • 防災対策を始める前に行うのがベストだが、見直す際でも効果的


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